感染性角膜炎(読み)かんせんせいかくまくえん(英語表記)Infectious keratitis

六訂版 家庭医学大全科 「感染性角膜炎」の解説

感染性角膜炎
かんせんせいかくまくえん
Infectious keratitis
(感染症)

どんな感染症か

 角膜に感染する病原体として、細菌ウイルス真菌(しんきん)アカントアメーバがあり、これらを総称して感染性角膜炎と呼んでいます。

 感染性結膜炎に比べ、角膜炎は重く、治療を怠っていると視力障害を残したり、角膜が穿孔(せんこう)(穴があく)して、角膜移植などの手術が必要になるケースもあります。

症状の現れ方

 それぞれの病原体によって症状はさまざまですが、共通して、流涙(りゅうるい)眼脂(がんし)(めやに)、眼痛、充血、視力低下などの症状で始まります。

 細菌、真菌の場合は外傷をきっかけに発症し、ウイルス(とくに単純ヘルペス)の場合は何度も再発することが特徴です。アカントアメーバの場合は、大部分のケースでコンタクトレンズの使用経験があり、眼痛が激しいのが特徴です。最近、増加する傾向があります。

検査と診断

 大部分は、病歴や症状、所見からほぼ診断することができますが、角結膜をこすってとる擦過物(さっかぶつ)で各病原体を検出することが確定診断に結びつきます。ヘルペス性角膜炎の場合は、角膜の知覚が低下していることが特徴です。

治療の方法

 細菌性や真菌性角膜炎は、検出菌に感受性のある薬剤投与します。ヘルペス性角膜炎の場合、上皮型であれば抗ウイルス薬であるアシクロビルの投与、実質型であればステロイド薬が治療の主体になります。アカントアメーバ角膜炎に対しては、抗真菌薬を投与します。

病気に気づいたらどうする

 必ず、眼科専門医を受診してください。

下村 嘉一

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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