慈・愛(読み)うつくしぶ

精選版 日本国語大辞典 「慈・愛」の意味・読み・例文・類語

うつくし‐・ぶ【慈・愛】

〘他バ上二〙 いとおしむ。かわいがる。うつくしむ。
書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓)「兄友(ウツクシヒ)弟恭(ヰヤマ)ふには不易の典(のり)なり」
源氏(1001‐14頃)賢木「八つ九つばかりにて声いとおもしろく、笙(さう)笛吹きなどするを、うつくしび、もてあそび給ふ」
[補注]のちに「いつくしむ」ともいう。

いつくし‐・む【慈・愛】

〘他マ五(四)〙 (古くは「うつくしむ」) たいせつにする。いとおしむ。かわいがる。
御伽草子二十四孝(室町末)「継母も、後にはへだてなくいつくしみ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「幼少の折より〈略〉撫で愛(イツクシ)まれ」

うつくし‐・む【慈・愛】

〘他マ四〙 大切にする。いとおしむ。かわいがる。
※観智院本三宝絵(984)下「心に仏の道をたふとびうつくしみ人の苦しみを救ふ」
※栄花(1028‐92頃)浦々の別「宮のいみじううつくしうおはしますを、二位笑みまけうつくしみ奉り給ふ」

うつくしみ【慈・愛】

〘名〙 (動詞「うつくしむ(慈)」の連用形名詞化) 慈愛愛寵。いつくしみ。
古今(905‐914)仮名序「あまねき御(おほん)うつくしみの波、八島ほかまで流れ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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