デジタル大辞泉
「慣性の法則」の意味・読み・例文・類語
かんせい‐の‐ほうそく〔クワンセイ‐ハフソク〕【慣性の法則】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かんせい【慣性】 の 法則(ほうそく)
- ニュートンの運動の第一法則。物体は外力の作用を受けない限り、静止または等速度運動の状態を続けるというもの。→運動の法則。
- [初出の実例]「急激に前方へ移動する物体に荷われたものが振り落とされる慣性の法則は」(出典:死霊‐一章(1946‐48)〈埴谷雄高〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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慣性の法則
かんせいのほうそく
law of inertia
外から力が作用しなければ,物体は静止または等速度運動を続けるという法則。ニュートンの運動の法則の1つで,運動の第一法則ともいう。運動の現状をそのまま保持しようとする物体の性質を慣性という。この法則は物体が慣性をもつことを述べているが,慣性をもつかどうかは観測者の立場に関係している。机の上に本が置かれていて,何も力を加えないとする。机の前にすわっている人は,じっと動かない本を見て,本が慣性をもつ,と考えるであろう。しかし,机に対し急に動き出した人は,本が逆向きに急に動くのを見て,本が慣性をもつとは考えないであろう。また,机の前で回転椅子に腰かけて回っている人も,本は自分のまわりを逆向きに周回して見え隠れするから,本が慣性をもつとは考えないであろう。すなわち慣性は,物体がもつ固有の絶対的な性質ではなく,観測者の立場によって保有するとも保有しないともいえる相対的な性質である。したがって慣性の法則は,物体が慣性をもつということを述べているのではなく,物体が慣性をもつとみなせる立場 (慣性系) が存在しうること,言い換えれば,慣性系を選択する基準を述べている。慣性系において質点の運動を決める方程式が,ニュートンの運動方程式である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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法則の辞典
「慣性の法則」の解説
慣性の法則【law of inertia】
ニュートンの第一法則*に同じ.「静止,または等速度運動をしている物体は,外力が加わらない限りはその状態を持続する」
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の慣性の法則の言及
【運動】より
…
【運動の法則】
慣性座標系では次のような運動の法則(ニュートンの運動の3法則)がなりたつ。(a)慣性の法則 慣性系では力の働いていない物体は,加速度のない運動(静止または等速直線運動)をする。(b)運動の法則 運動量の変化は,及ぼされる力に比例しその力の及ぼされる方向に起こる。…
【ガリレイ】より
…だが,その後まもなく彼は,斜面や振子の研究を深めることによって,《運動について》では副次的役割しか与えられなかった加速度こそが,落体の運動の本質的要因であることを見抜き,ついには真空中での落下距離が落下時間の2乗に比例し,しかもそのためには落下速度が落下時間に比例しなければならないという落体の基本法則を発見した。さらにこの研究の過程で運動の合成の法則と慣性の法則を導き出し,投射体の経路がパラボラ曲線になることを証明することができた。だが彼の慣性の法則はあくまで地球の中心から同一距離だけ離れた水平面上での等速運動の継続を主張する〈円運動の慣性〉の法則にすぎず,直線運動の慣性の法則ではなかったことを忘れてはならない(この点で彼は円の完全性という古代・中世の観念からまだ脱却してはいなかったのである)。…
【慣性】より
…この性質を慣性と呼ぶ。このことを法則の形ではっきり述べたのがニュートンの運動の第1法則であり,それは慣性の法則とも呼ばれる。物体に力が作用すれば速度は変化する。…
※「慣性の法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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