高木彬光(あきみつ)の歴史推理小説(1958)。盲腸炎の手術後、病床にある名探偵神津恭介(かみづきょうすけ)が友人の推理作家を相手に、蒙古(もうこ)の英雄成吉思汗=義経(よしつね)説を詳細に検討して、一人二役のトリックを立証する。衣川で死んだ義経の最期に確証はあるのか、源氏の白旗と成吉思汗の白旗は偶然の一致かなどなど、本格推理小説の謎(なぞ)解きと分析の手法を史実に応用して、文献の検討だけで真相に迫っていく論理の操作はみごとで、結論に超論理的飛躍があるのが惜しまれるが、歴史の定説に挑戦した異色のミステリーである。
[厚木 淳]
『『成吉思汗の秘密』(角川文庫)』
[名](スル)1 別の衣服に着替えること。特に夏冬の季節に応じて改めること。平安時代には、陰暦4月1日、10月1日に行われた。江戸幕府では、このほかに5月5日・9月9日などにも着替える定めがあった。現...