古代の御神楽(みかぐら)の歌人、楽人をいい、才芸にたけた者の意。「ざいのおのこ」ともいい、採物(とりもの)の歌舞と前張(さいばり)との間で行われた。『楽章類語鈔(しょう)』によると、内侍所御神楽(ないしどころのみかぐら)では統率者である人長(にんじょう)が楽の者や歌人を召し、おのおのに才(ざえ)を演じさせたとある。『うつほ物語』には、才の男が人長の問いに答えて「才名(ざえな)のり」するようすが描かれている。『中右記(ちゅうゆうき)』には、才の男が召され陪従(べいじゅう)の散楽があったと記されているが、『宇治拾遺物語』が描くところでは、このような散楽は滑稽(こっけい)な物真似芸であった。以上からすると、才の男は、芸能にたけた者のことであると思われる。才の男と細男(せいのお)が同一であるとする見解と、そうではないとする説がある。
[高山 茂]
生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カ...