内裏で神鏡を奉安する場所。女官の内侍が守護したところからこの名がある。賢所(かしこどころ)/(けんしよ)ともいい,威所,尊所,恐所,畏所とも記す。三種の神器の一つである神鏡は,伊勢神宮に祀られているが,これを模して造った神鏡が天皇の身辺近くに奉安されたもので,平安京では紫宸殿の東北にある綾綺殿(りようきでん)の東に位置する温明殿(うんめいでん)がその場所となった。温明殿は9間4面,南北に細長く,西側の庭を綾綺殿と共有する。中央に馬道(めどう)が通り,南部分の身舎(もや)が内侍所である。平安時代中期に起源をもつといわれる内侍所御神楽は,天皇の出御があり,12月中旬の吉日庭上で行われた。内裏が廃亡して里内裏になると,春興殿(しゆんこうでん)が神鏡奉安の場所となり,明治の東京遷都にさいして皇居に移されることとなった。現在は宮中三殿の一つとして吹上御苑中にある。神鏡奉安の場所から転じて神鏡自体をこの名で呼ぶことがある。
執筆者:平林 盛得
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平安時代の内裏で,典侍(ないしのすけ)・掌侍(ないしのじょう)以下の内侍司の女官が詰めた所。温明(うんめい)殿にあった。同殿の南半部分には天照大神の御霊代である神鏡を安置する賢所(かしこどころ)があり,神鏡の守護が内侍所の女官の重要な職務であった。このことから,のち神鏡そのものを内侍所あるいは賢所と称するようにもなった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…いずれも銅瓦葺入母屋造,ヒノキの素木造で,その中央にあるのが賢所。賢所は三種の神器の一つである神鏡を奉安する所で,平安初期から内裏の温明(うんめい)殿に置かれ,女官の内侍が候したので内侍所(ないしどころ)ともよばれた。その後,里内裏の盛行に伴い,鎌倉末期から温明殿に代わって春興殿に賢所が置かれるようになり,これは江戸時代の京都御所においても踏襲された。…
※「内侍所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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