抉り(読み)クジリ

デジタル大辞泉 「抉り」の意味・読み・例文・類語

くじり【×抉り】

くじること。
くじって穴をあけるきりに似た道具。〈和英語林集成
結び目をほどくのに用いる先のとがった道具。〈和名抄

えぐり〔ゑぐり〕【×抉り/×刳り】

えぐること。くりぬくこと。
一風変わった趣向で人の意表に出ること。ひねり。うがち。
女郎もいい男を捨てて、醜夫ぶをとこを見えにするさうだから、人も段々―とやらになったのさ」〈滑・浮世風呂・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「抉り」の意味・読み・例文・類語

えぐりゑぐり【抉・刳】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「えぐる(抉)」の連用形の名詞化 )
  2. 刃物などを物に突き刺して回すこと。また、突き刺してその部分をくりぬくこと。
    1. [初出の実例]「長刀〈略〉、ぐっと通して一ゑぐり」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二)
  3. 真実をついて、人を感心させるような、鋭い表現。
    1. [初出の実例]「地獄の沙汰も金次第が古今の穿(ヱグ)り」(出典:寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉一一号)
  4. くふうをこらして人の意表に出るような変わった趣向を凝らすこと。ひねり。うがち。
    1. [初出の実例]「女郎も好(いい)男を廃(すて)醜夫(ぶおとこ)を見えにするさうだから、人も段々ゑぐりとやらになったのさ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  5. 相手を鋭く追及したり、心を探ったりすること。

くじり【抉・挑・觿】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「くじる(抉)」の連用形の名詞化 )
  2. くじること。
  3. ひもなどの結び目にさしこんで解きほぐす道具。象骨で作り、先がとがっている。古代中国で未成年者が腰に帯びたもの。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「くじりは帯にゆい付てさげて小童があるくぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)
    2. [その他の文献]〔詩経‐衛風・蘭〕
  4. (あな)をあけるのに用いる錐(きり)一種。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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