一風(読み)イップウ

デジタル大辞泉 「一風」の意味・読み・例文・類語

いっ‐ぷう【一風】

一つ流儀様式。「一風を成す」
(副詞的に用いる)他のものと、どこか違ったところが見られること。他のものに感じられない一種のおもむき。「一風変わっている」
掛け軸表装で、一文字いちもんじ風帯ふうたいとを合わせた略称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一風」の意味・読み・例文・類語

いっ‐ぷう【一風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ひとたび風が吹くこと。また、ひとふきの風。〔論衡‐是応〕
  3. 一つの風流、風雅。他と違う、一つの流儀、特色
    1. [初出の実例]「然者(しかれば)、万曲に通じて、一風(プウ)、一音、一弾指(だんし)の機にあたるも、序破急成就也」(出典:拾玉得花(1428))
    2. 「先師是を能(よく)見とりて、一風に長くとどまるまじきことを示し給へり」(出典:俳諧去来抄(1702‐04)修業)
  4. ( 副詞的に用いることが多い ) 態度、やり方や物事の状態などの一種変わったおもむき。ちょっとした点。
    1. [初出の実例]「儒者や淄徒(ばうず)の輩には妙な一風(イップウ)のある男が沢山あった」(出典:嚼氷冷語(1899)〈内田魯庵〉)
  5. 表装で用いることば。「いちもんじ(一文字)」と「ふうたい(風帯)」の意の略称。

ひと‐ふう【一風】

  1. 〘 名詞 〙 特に、常人とはちょっと異なった趣・様子ひとつの趣。ちょっとした点。いっぷう。
    1. [初出の実例]「女房をおとりに商ふ店付き一風(ヒトフウ)有」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)

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