投出す(読み)ナゲダス

デジタル大辞泉 「投出す」の意味・読み・例文・類語

なげ‐だ・す【投(げ)出す】

[動サ五(四)]
投げて外へ出す。ほうりだす。「がらくたを外へ―・す」
投げるように乱暴につきだす。また、無造作に置く。「床に足を―・す」「本を机の上に―・す」
物事を成就しないうちにあきらめて止める。放棄する。「試合を―・す」「学業中途で―・す」
大切なものや財産などを惜しげもなく差し出す。「命を―・す」「全財産を孤児救済に―・す」
投げ始める。「仕上がりが早く、変化球を―・す」
[類語]ほうり出す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「投出す」の意味・読み・例文・類語

なげ‐だ・す【投出】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 投げて外へ出す。ほうり出す。また、投げるようにしてその場に置く。
    1. [初出の実例]「抛続松(なげたいまつ)屏より外へ投出(ナゲタシ)投出、静返て見けるが」(出典太平記(14C後)二八)
  3. 座っている人が自分の足を前方にのばす。
    1. [初出の実例]「アシヲ naguedasu(ナゲダス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  4. 命、財産、権利などを惜しげもなく差し出す。
    1. [初出の実例]「是れだけの財産を皆な投げ出す人せへある世の中に」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続)
  5. 事が完成しないうちに途中であきらめてやめてしまう。放棄する。
    1. [初出の実例]「『それぢゃ投ませう。其処が切断ては碁に成りませんもの』〈略〉其処(そこ)叔母は投出(ナゲダ)した」(出典:二老人(1908)〈国木田独歩〉上)
  6. 持ち出す。提出する。
    1. [初出の実例]「日本にはびこる程のほうもんぢゃ程にやれやれいかひ事をなげだひた」(出典:虎明本狂言・宗論(室町末‐近世初))

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