抜出す(読み)ヌキダス

デジタル大辞泉 「抜出す」の意味・読み・例文・類語

ぬき‐だ・す【抜(き)出す】

[動サ五(四)]
引き抜いて出す。取り出す。「財布からお金を―・す」
選び出す。「該当部分を―・す」
突き出す。
黯黒くらやみの中からヌッと半身を―・して」〈二葉亭浮雲
[類語]取り出す抜き取る抜く引き抜く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「抜出す」の意味・読み・例文・類語

ぬき‐だ・す【抜出】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ひき抜いて出す。取り出す。
    1. [初出の実例]「唐土の倉は上すばりに下ひろなぞ。入れかさね入れかさねをいて、なんとしてやらう下からぬきたしぬきたしとるやうにするぞ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)酈陸朱劉叔孫第十三)
  3. 多くの中から選び出す。より出す。
    1. [初出の実例]「種々の書物の中から抜出(ヌキダ)して所為(わざ)文章を俗に直して」(出典人情本・英対暖語(1838)三)
  4. 外に表わし出す。他より上に出す。つき出す。
    1. [初出の実例]「黯黒(くらやみ)の中からヌッと半身を捉出(ヌキダ)して」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  5. その部分だけをとり出して目立たせる。
    1. [初出の実例]「同じ色の菖蒲の花を抜き出した小浜縮緬(ちりめん)単衣」(出典:普賢(1936)〈石川淳〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android