引抜く(読み)ヒキヌク

デジタル大辞泉 「引抜く」の意味・読み・例文・類語

ひき‐ぬ・く【引(き)抜く】

[動カ五(四)]
引っ張って抜き取る。引っこ抜く。「雑草を―・く」
他に属している者を、より有利な条件を示すなどして自分の方に所属させる。「他社に―・かれる」
[類語](1取り出す抜き出す抜き取る抜く/(2発掘抜擢ばってき起用登用挙用スカウトヘッドハンティング選ぶ拾い上げる取り立てる白羽の矢が立つ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引抜く」の意味・読み・例文・類語

ひき‐ぬ・く【引抜】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
  2. ひっぱって抜く。転じて、不都合なこと、気がかりなことなどをとり除く。
    1. [初出の実例]「御まへのはなすすき〈略〉秋もほにいでぬをひきぬきて、そのはにかく」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
    2. 「住みにくい世から、住みにくき煩ひを引き抜いて」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)
  3. 持ち去る。また、盗みとる。
    1. [初出の実例]「心も知らぬ人を宿し奉りて、釜はしもひきぬかれなば」(出典:更級日記(1059頃))
  4. 他に属している者を、待遇などをよくして自分の方に属させる。身請け、またはスカウトなどをする。
    1. [初出の実例]「女良をひきぬき、妻のごとく宿に置て」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)四)
  5. 多くの中から選びとる。
  6. 歌舞伎踊りなどで、衣装に仕掛けた糸を抜き取り、瞬時に別の装束に変わる。
    1. [初出の実例]「屋体のスッポンより犬出で時鳥の傍へ来り、引抜くと以前の鈍玄にて」(出典:歌舞伎・曾我綉侠御所染(御所五郎蔵)(1864)三幕)

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