デジタル大辞泉 「抜く」の意味・読み・例文・類語
ぬ・く【抜く】
1 中にはいっているもの、はまっているもの、刺さっているものを引っ張って取る。「刀を―・く」「歯を―・く」「とげを―・く」
2 中に満ちていたり含まれていたりするものを外へ出す。「浮き袋の空気を―・く」「プールの水を―・く」「力を―・いて楽にする」
3 中にはいっている金品をこっそり盗み取る。「車中で財布を―・かれた」「積み荷を―・かれる」
4 多くのものの中から必要なものを選び取る。全体から一部分を取り出す。「書棚から読みたい本を―・く」「秀歌を―・いて詞華集を編む」
5 今まであったもの、付いていたものを除き去る。不要のものとして取り除く。「染みを―・く」「籍を―・く」「不良品を―・く」「さびを―・いたにぎりずし」
6 手順などを省く。また、それなしで済ませる。省略する。「仕事の手を―・く」「朝食を―・く」
7 前にいる者や上位の者に追いつき、さらにその先に出たり、その上位になったりする。「先頭の走者を一気に―・く」「すでに師匠の芸を―・いている」
8 新聞報道やテレビ報道などで、他社に先駆けて特ダネを報道する。すっぱ抜く。「スクープを―・く」「他紙に―・かれる」
9 力などが他よりすぐれている。基準よりも上である。「実力が群を―・いている」
10 (「貫く」とも書く)突き通して向こう側へ出るようにする。一方から他方へ通じさせる。つらぬく。「山を―・いてトンネルをつくる」「一、二塁間を―・くヒット」
11 型にはめて、ある形として取り出す。また、ある部分だけ残して他の部分を染める。「ハート形に―・く」「紫紺の地に白く―・いた紋」
12 攻め落とす。「城を―・く」「堅塁を―・く」
13 和服の着方で、抜き衣紋にする。「襟を―・く」
14 囲碁で、相手の死んだ石を取る。
15 (動詞の連用形に付いて)そのことを最後までする。しとおす。また、すっかり…する。しきる。「難工事をやり―・く」「がんばり―・く」「ほとほと困り―・く」
[可能]ぬける
[動カ下二]「ぬける」の文語形。
[下接句]足を抜く・
[類語]取り出す・抜き出す・抜き取る・引き抜く・越える