押競(読み)おしっくら

精選版 日本国語大辞典 「押競」の意味・読み・例文・類語

おしっ‐くら【押競】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おしくらべ(押競)
    1. [初出の実例]「目白のをしっくらを見るやうな割床で」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉九)
  3. 売春婦異称
    1. [初出の実例]「それ程女が恋しくば、宿(しゅく)で押(オ)しっくらでも買ふがいい」(出典:歌舞伎・富士額男女繁山(女書生)(1877)序幕)

おし‐くら【押競】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おしくらべ(押競)
    1. [初出の実例]「坐(すわり)相撲、押競(オシクラ)指相撲蛙飛(かはづと)び」(出典:東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉下)
  3. 俗語私娼娼婦。店が押し合うように居並んでいるところからかという(売春婦異名集(1921))。

おし‐くらべ【押競】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 互いに押し合って遊ぶ遊戯。おしくら。おしくらまんじゅう。
  3. 舟の競走
    1. [初出の実例]「競渡、方言に押くらへと称し」(出典:諸国風俗問状答(19C前)備後国福山領風俗問状答)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android