指揮権(読み)シキケン

デジタル大辞泉 「指揮権」の意味・読み・例文・類語

しき‐けん【指揮権】

検察事務および犯罪捜査に関し、法務大臣検察官指揮監督する権限個々事件の取り調べまたは処分については、検事総長だけを指揮できる。「指揮権を発動する」

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精選版 日本国語大辞典 「指揮権」の意味・読み・例文・類語

しき‐けん【指揮権】

  1. 〘 名詞 〙
  2. その組織で、部下を指揮する権限。
    1. [初出の実例]「長旒は其の艦の指揮権を有する将校の旗章とし」(出典:海軍旗章条例(明治三〇年)(1897)一九条)
  3. 法務大臣が検察官に対してもつ一般的な指揮監督の権限。個々の事件の取調べまたは処分については、検事総長だけを指揮することができる。
    1. [初出の実例]「きのふの朝刊は犬養法相の指揮権発動を報じ」(出典:鏡子の家(1959)〈三島由紀夫〉一)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「指揮権」の意味・わかりやすい解説

指揮権
しきけん

公訴,犯罪捜査などの検察事務に関し,法務大臣が検察官を一般に指揮監督する権限 (→指揮監督権 ) 。検察庁法 14条に規定されている。検察事務も行政作用一種であることによるものであるが,検察は同時に司法権行使に深く関係するものであるところから,不当な政治的干渉によりその適正な行使が妨げられないようにする必要がある。このため,法務大臣は個々の事件の取調べ,処分については,直接には検事総長のみを指揮することができるものとされている (同条但書) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「指揮権」の意味・わかりやすい解説

指揮権 (しきけん)

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世界大百科事典(旧版)内の指揮権の言及

【検察制度】より

…これは,検事総長に適切な人物を得れば,個々の検察権に対する不当な政治的圧力を排除しうるであろうとの趣旨である。法務大臣が検事総長に対し具体的事件について指揮しうる権限を一般に〈指揮権〉といい,この権限の行使を〈指揮権発動〉という。いわゆる指揮権発動には,処分請訓規程(1948年の訓令)に定めるとくに重要な事件についての請訓に対してなされるもの,国会議員の逮捕など将来政治問題化するおそれのある事件の報告に際してなされるものなどがある。…

※「指揮権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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