精選版 日本国語大辞典 「捌く」の意味・読み・例文・類語 さば・く【捌・裁】 [ 1 ] 〘 他動詞 カ行五(四) 〙① 物や道具、材料などを、じょうずに扱いこなす。また、うまく手で解き分ける。[初出の実例]「かがり火の早瀬にくだすうかひ舟さばく手縄(たなは)の影ぞ乱るる」(出典:壬二集(1237‐45))② 割る。裂く。特に、料理の材料を包丁でばらばらに切り分ける。[初出の実例]「魚をさばき刺身、塩焼き、アラ煮をこしらえて」(出典:餓鬼の晩餐(1974)〈富岡多恵子〉)③ 複雑にいりくんだ事柄や、面倒なことを整理する。うまく処理する。始末をつける。[初出の実例]「我ひとりしてさばかうとすれば、やうやう此程請取た程に」(出典:京大図書館本周易抄(1477)屯)④ 事理を説明する。説きあかす。⑤ ( 裁 ) 理非を明らかにする。正邪善悪を判定する。裁判する。[初出の実例]「とがつみのことをことわりさばくぞ」(出典:玉塵抄(1563)一一)⑥ 品物を売って整理する。売りさばく。[初出の実例]「ニヲ sabaku(サバク)」(出典:和英語林集成(初版)(1867))⑦ 遊里などで、諸事をうまく処理する。揚代などを支払う。[初出の実例]「揚屋町に行ば、日来(ひころ)の大臣よろしくさばき置るるとみえて」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)三)⑧ 連歌、連句の席で、宗匠が付句の運びを吟味指導する。⑨ 遊女屋で客をことわる。〔商業符牒袖宝(1884)〕⑩ 将棋で、駒の性能を十分に発揮させて局面を有利に進展させる。「駒を捌く」[ 2 ] 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ⇒さばける(捌) は・く【捌】 [ 1 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 残らず売る。うりさばく。[初出の実例]「おれに寄越しやれ。値を好く捌(ハ)いて遣るワ」(出典:歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)発端)[ 2 ] 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ⇒はける(捌) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例