捌ける(読み)ハケル

デジタル大辞泉 「捌ける」の意味・読み・例文・類語

は・ける【×捌ける】

[動カ下一][文]は・く[カ下二]
水などがとどこおらずに流れる。「風呂場の水が―・けない」
品物などがよく売れる。さばける。「広告商品一時間で―・けてしまった」
[類語]流れる流動する貫流する流通する流出する通う・流れ下る・押し流す逆巻く渦巻く淀む水流清流濁流急流激流奔流懸河緩流放流放水合流蛇行

さば・ける【×捌ける】

[動カ下一][文]さば・く[カ下二]
品物が売り切れる。また、よく売れる。はける。「在庫品が―・ける」「最近はこのての本がよく―・ける」
世事に通じていて、物分かりがよい。また、気性がさっぱりしている。「―・けた取り計らい」「―・けた人で根に持たない」
混乱していたものが整理されてきちんとなる。「渋滞が―・けてくる」
[類語](2瀟洒しょうしゃ清楚楚楚垢抜け灰汁あく抜け洗練気さくこざっぱりすっきりさらり洒落る小洒落た垢抜けるスマートシック

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「捌ける」の意味・読み・例文・類語

さば・ける【捌】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]さば・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 乱れたものがなおる。もつれたものが解け分かれる。
    1. [初出の実例]「弁舌さばけし長口上」(出典:浄瑠璃・井筒業平河内通(1720)二)
    2. 「イトガ sabaketa(サバケタ)」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
  3. 割れる。砕ける。裂ける。
    1. [初出の実例]「ふたつにざっときりわって、ゆんで、めてへさばけたり」(出典:幸若・高館(寛永版)(室町末‐近世初))
  4. 商品が売れてなくなる。はける。
    1. [初出の実例]「分執 ワケテ トッテ ウレハ ハヤウ サバケマス」(出典:交隣須知(18C中か)三)
  5. 世なれていて物事に理解があり、気性がさっぱりしていて気どらない。話せる。
    1. [初出の実例]「さばけぬ人の長座敷、あくびも思はず出」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)

は・ける【捌】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]は・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 水などがとどこおらずに流れ出る。
    1. [初出の実例]「地下道からはけて来る人混みの中に」(出典:虚栄(1966)〈河野多恵子〉)
  3. 商品がどんどん売れて、残り少なくなる。さばける。
    1. [初出の実例]「そんな代物が、ナニ捌(ハ)けるものか」(出典:歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)発端)

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