捨て台詞(読み)ステゼリフ

デジタル大辞泉 「捨て台詞」の意味・読み・例文・類語

すて‐ぜりふ【捨て台詞】

演劇、特に歌舞伎で、俳優脚本に書いてないのにその場の雰囲気に応じて即興的に言う短いせりふ。
立ち去ろうとするとき、相手返答を求めないで一方的に言い放つ言葉。捨て言葉。「捨て台詞を残して去る」「捨て台詞を吐く」
[類語](2言い残す言い伝える言い捨てる言い置く

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精選版 日本国語大辞典 「捨て台詞」の意味・読み・例文・類語

すて‐ぜりふ【捨台詞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 歌舞伎の舞台で、役者が脚本に書いてないことをその場その場に応じていいすてる短いせりふ。主として、登場、退場の時にいう。捨てことば。
    1. [初出の実例]「後より朝顔千平〈略〉皆々の中へ割ってはひる。皆々捨ゼリフのうち」(出典:歌舞伎・助六由縁江戸桜(1761))
  3. 人前を立ち去る時、返事を求める気持もなくいいはなつことば、または挨拶(あいさつ)。捨てことば。
    1. [初出の実例]「『それもよかろう』トそれよりみなみなひとつふたつすてぜりふありて帰り床おさまる」(出典:洒落本・面和倶噺(1806)一)
  4. 別れぎわに、相手をおどしたり、さげすんだりする気持でいう、悪意のあることば。
    1. [初出の実例]「『なんだ、地獄屋め、龍坊さへ取返せア、汝達(てめえたち)に用は無いんだ。さ、龍坊行かう、お出で』と捨台詞(ステゼリフ)を残して」(出典:初すがた(1900)〈小杉天外一四)

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