排尿障害治療剤（読み）ハイニョウショウガイチリョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

排尿障害治療剤

製品名
《オキシブチニン塩酸塩製剤》
オキシブチニン塩酸塩（沢井製薬、武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業、東和薬品、日医工、日本ジェネリック、陽進堂）
ネオキシテープ（旭化成ファーマ、久光製薬）
ポラキス（サノフィ）
《プロピベリン塩酸塩製剤》
塩酸プロピベリン（エルメッド、共和薬品工業、小林化工、沢井製薬、三和化学研究所、辰巳化学、日医工）
バップフォー（大鵬薬品工業）
バップベリン（アルフレッサファーマ、武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業）
プロピベリン塩酸塩（旭化成ファーマ、あすか製薬、キョーリンリメディオ、杏林製薬、沢井製薬、第一三共、第一三共エスファ、高田製薬、武田薬品工業、東和薬品、日医工、日新製薬、日本ケミファ、ニプロESファーマ、日本ジェネリック、富士製薬工業、メディサ新薬、陽進堂）
ユリロシン（ダイト、ファイザー）

　膀胱ぼうこうの収縮を抑制する作用があり、排尿回数の増加を抑えるといったはたらきによって、頻尿や尿失禁などの排尿障害を改善する薬です。

　オキシブチニン塩酸塩製剤は、神経因性膀胱や不安定膀胱といった病気による頻尿、尿意切迫感、尿失禁の治療に使用されます。

　プロピベリン塩酸塩製剤は、神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、慢性膀胱炎、慢性前立腺炎まんせいぜんりつせんえんなどによる頻尿、尿失禁、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁の治療に使用されます。

①過敏症状（発疹ほっしんなどのアレルギー症状）、血小板減少、尿閉、麻痺性まひせいイレウスが現れることがあります。さらにプロピベリン塩酸塩製剤では、横紋筋融解症、皮膚粘膜眼症候群、動悸、心室性頻拍、急性緑内障発作、肝・腎機能障害、黄疸おうだん、幻覚、せん妄が現れることがあります。

　こうした症状が現れたときは、使用を止めてすぐに医師に相談してください。

②口の渇き、便秘、しびれ、めまい、ねむけ、頭痛、不眠、むくみ、目のかすみ、倦怠感けんたいかん、汗が出なくなるほか、発熱、目の乾燥、のどの痛みなどもおこることがあります。

　このような症状がおこったときは、医師に相談してください。

③肝・腎障害など、検査をしなければわからない副作用がおこることがあります。医師から指示された検査は、必ず受けてください。

①内服剤は錠剤と細粒があり、食後の服用が原則です。1日の使用回数と使用する時間、使用量については、医師の指示をきちんと守ってください。

　貼付剤は、1日1回、下腹部、腰部、大腿部のいずれかに貼り、24時間で貼り換えます。

②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの有無・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。

　とくに尿路閉塞にょうろへいそくや前立腺肥大症ぜんりつせんひだいしょうで排尿困難がある人、閉塞隅角緑内障、腸アトニー、重い心臓病、重症筋無力症といった病気がある人、オキシブチニン塩酸塩製剤では母乳で授乳中の人、プロピベリン塩酸塩製剤では、胃・腸に閉塞がある人は使用できません。必ず医師に報告してください。

　また、不整脈、肝・腎障害やそれらの病歴がある人、パーキンソン症候群または脳障害、甲状腺機能亢進症、潰瘍性かいようせい大腸炎などの病気がある人は、医師に報告してください。

③妊婦、現在妊娠している可能性のある人は、あらかじめ医師に伝えてください。

④ねむけ、めまいが現れることがあるので、自動車運転や危険を伴う作業には、十分注意してください。プロピベリン塩酸塩製剤では、これらの危険な作業は避けてください。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版