デジタル大辞泉 「擽る」の意味・読み・例文・類語 こそぐ・る【×擽る】 [動ラ五(四)]「くすぐる」に同じ。「牡丹ぼたんのつぼみが―・るほどの蝶の羽風にさえほころびるように」〈中勘助・銀の匙〉 くすぐ・る【×擽る】 [動ラ五(四)]1 皮膚の敏感な部分を軽く刺激し、むずむずして笑いたくなるような感じを起こさせる。「わきの下を―・る」2 人の心を軽く刺激し、そわそわさせたり、いい気持ちにさせたりする。「母性本能を―・る」「虚栄心を―・る」3 演芸・文章・会話などで、人をことさらに笑わせようとして、こっけいなことを言ったり、演じたりする。「下しもがかったねたで観客を―・る」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「擽る」の意味・読み・例文・類語 くすぐ・る【擽】 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙① 皮膚の敏感な部分に軽く触れて刺激し、むずむずした、こそばゆい感じを起こさせる。こそぐる。〔名語記(1275)〕[初出の実例]「此様に言っても物を言はねへなら擽(クスグ)るゼ」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)五)② 風などが軽く当たる。[初出の実例]「夜の微風が湯浅の耳をくすぐる」(出典:巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫〉つばめの唄)③ 演芸、文章、会話などで、ことさらに人を笑わせる。また、茶化したりからかったりする。[初出の実例]「(まあ! お貞さん。旦那様は飛だ御親切なお方だねえ)サ酷く擽(クスグ)ったもんだらうじゃあないかえ」(出典:化銀杏(1896)〈泉鏡花〉五)④ 人の心に働きかけていい気持にさせる。[初出の実例]「真実、虚栄心をくすぐられる所(どころ)でなく」(出典:光と風と夢(1942)〈中島敦〉五) こそぐ・る【擽】 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 指先などで皮膚の一部を刺激して、くすぐったい感覚を起こさせる。また、おかしい事をいったり、おだてるような事をいったりして、くすぐったい思いを起こさせる。くすぐる。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕[初出の実例]「あまりふしんなほどに、こそぐってみう」(出典:虎明本狂言・仁王(室町末‐近世初)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例