日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネプツニウム系列」の意味・わかりやすい解説
ネプツニウム系列
ねぷつにうむけいれつ
neptunium series
放射性核種の崩壊系列の一つで、ネプツニウム237に始まり、主経路としてα(アルファ)崩壊9回、β(ベータ)崩壊5回を行ってタリウム205に至る系列をいう。系列中の各核種の質量数はnを整数として4n+1となっている。4n(トリウム系列)、4n+2(ウラン・ラジウム系列)、4n+3(アクチニウム系列)となる他の系列は天然に存在するが、ネプツニウム系列は人工放射性核種からなるものである。なお、2003年にビスマス209が事実上無限大ともいえる半減期1.9×1019年でα崩壊してタリウム205となることが知られる前は、ビスマス209がこの系列の最終核種であるとされていた。
[岩本振武]