新鳥蘇(読み)シントリソ

デジタル大辞泉 「新鳥蘇」の意味・読み・例文・類語

しんとりそ【新鳥蘇】

雅楽高麗楽こまがく高麗壱越いちこつ調大曲。舞は六人または四人舞。弘仁年間(810~824)に高麗の笛師が伝えたという。納序のうじょ曲。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「新鳥蘇」の意味・読み・例文・類語

しんとりそ【新鳥蘇】

雅楽の曲名高麗楽の一つで壱越(いちこつ)調。大曲で、四人で舞う。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
古今著聞集(1254)一〇「延長六年閏七月六日、中六条院にて童相撲の事ありけり。廿番はてて舞を奏す。左、蘇合、右、新鳥蘇。次に新作胡蝶を奏しけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「新鳥蘇」の意味・わかりやすい解説

新鳥蘇 (しんとりそ)

雅楽,舞楽の曲名。高麗(こま)楽にふくまれ高麗壱越(いちこつ)調。6人(あるいは4人)舞の文ノ舞(平舞)。高麗楽の四大曲(《新鳥蘇》《古鳥蘇》《進走禿(しんそうとく)》《退走禿(たいそうとく)》)の一つ。《新鳥蘇》にだけ用いる前奏《納序》があるので納序曲ともいう。番舞(つがいまい)は《蘇合香(そごうこう)》。右方襲(かさね)(常)装束の袍(ほう)を両肩ともぬぎ,半臂(はんぴ)を見せ(代用として前掛と裾(きよ)を着ることもある),柔和な表情の人面をつけ,この舞にだけ用いる特殊な冑(かぶと)をかぶり,太刀を腰に,笏を手にもって舞う。嵯峨天皇(在位809-823)のころ,高麗の笛師下春(げしゆん)が伝えたという。演奏次第は納序(無拍節,篳篥(ひちりき)と高麗笛と三ノ鼓)-古弾(こたん)(無拍節,高麗笛の独奏)-当曲(四拍子,舞人の登場,当曲舞,後参の舞)。退場のときは奏楽なし。当曲が演奏されはじめてから舞人が登場,6人の舞人のうち下位の4人は舞い終わると楽屋に戻り,そのうち2人は後参桴(ばち)を舞台上の2人に渡して退き,舞台上の2人は後参桴をもって後参の舞を舞う。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android