方外(読み)ホウガイ

デジタル大辞泉 「方外」の意味・読み・例文・類語

ほう‐がい〔ハウグワイ〕【方外】

《「方」は地域世間の意》
区域の外。また、国の外。外国。「方外の地」
人の守るべき道からはずれていること。
俗世の外に身を置くこと。また、そのような人。僧・画工医者など。
「僧は既に―の士、何ぞ煩はしく宴宮に入らむ」〈懐風藻

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精選版 日本国語大辞典 「方外」の意味・読み・例文・類語

ほう‐がい ハウグヮイ【方外】

〘名〙 (「方」は地域、世間の意)
① 人の守るべき道からはずれていること。
世俗から離れていること。浮世を超越していること。また、世間普通の考え方を越え、あるいは、はずれていること。世外。
※懐風藻(751)初春在竹渓山寺於長王宅宴追致辞〈釈道慈〉「僧既方外士、何煩入宴宮」
※足利本論語抄(16C)子罕第九「孔孟の道は方内、荘老の道は方外也」 〔曹植‐七啓〕
③ 世間から普通の俗人ではないとみなされていること。また、その人。特に儒者僧侶・医師・画工などをいう。長袖(ながそで)
※丱余集(1409頃)次韻留故人「方外忻逢方外人。毎聞清話蒙新」
④ 外国。〔詩経‐商頌・長発〕

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普及版 字通 「方外」の読み・字形・画数・意味

【方外】ほうがい(はうぐわい)

世俗の外。〔世説新語、任誕〕阮兵(籍)、母を喪(うしな)ふ。~阮方(まさ)にひ、髮を散じて牀に坐し、箕踞(ききよ)して哭せず。裴(楷)至り、席を地に下して哭す。~裴曰く、阮は方外の人なり。故に禮制を崇(たっと)ばず。我が輩(はい)は俗中の人なり。故に儀軌を以て自ら居ると。

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