施無畏(読み)セムイ

デジタル大辞泉 「施無畏」の意味・読み・例文・類語

せ‐むい〔‐ムヰ〕【施無畏】

仏語。仏・菩薩ぼさつ衆生しゅじょうの恐れの心を取り去って救うこと。
観世音菩薩異称

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精選版 日本国語大辞典 「施無畏」の意味・読み・例文・類語

せ‐むい‥ムヰ【施無畏】

  1. [ 1 ] 仏語。仏・菩薩(ぼさつ)が、その威力方便衆生の種々の畏怖を取り去って救うこと。
    1. [初出の実例]「打見上げ奉たれば、御帳の東の方に立給へる観音御す。其の世无畏の御手に、我が切て嫗に取せし髪を(まき)て立給へるを見に、哀に悲き事无限なし」(出典:今昔物語集(1120頃か)一六)
    2. 「たのむぞよ施無畏のちかひあらたなれはるればくもるほしをみるにも」(出典:広本拾玉集(1346)三)
    3. [その他の文献]〔観音玄義記‐一〕
  2. [ 2 ] ( [梵語] abhayaṃdada ) 観世音菩薩の異称。施無畏者
    1. [初出の実例]「しれ者也と引上げ見ればせむゐ」(出典:雑俳・柳多留‐二三(1789))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「施無畏」の意味・わかりやすい解説

施無畏
せむい
abhayadāna

仏教用語。無畏を施すこと。すなわち相手危害を加えず恐れをいだかせないこと。三施一つ。施無畏力をもっているために,観世音菩薩は施無畏者と呼ばれる。

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