日本船主協会(読み)にほんせんしゅきょうかい(英語表記)Japanese Shipowners' Association

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本船主協会」の意味・わかりやすい解説

日本船主協会
にほんせんしゅきょうかい
Japanese Shipowners' Association

日本の総トン数100トン以上の船主など約100社が会員となっている社団法人。略称JSA。日本海運業同盟会(1892)に起源をもち、日本船主同盟会(1901)、日本船主協会(1920)、日本海運協会(1940)を経て、1947年(昭和22)に現在の組織となった。その目的は、公共の福祉のために海運業に関する諸般の調査・研究を行い、その公正かつ自由な事業活動を促進し、日本海運の健全な発展に寄与することである。事業内容には、海運業に関する広報、会員相互の親睦(しんぼく)と意見の交換、海運業に関する統計の作成と資料・情報の収集、海運業に関する調査・研究、海運業に関し政府・議会への意見の開陳船員労務問題をめぐる海員組合との団体交渉などがある。協会内の組織としては、総務、企画調整、関連業務、海務の各部、総務、法務保険、港湾物流、海務、政策、労務、工務の各委員会と、タンカー、オーナー、近海内航、客船の部会などがある。2005年(平成17)ごろから、海賊・テロ対策が重要な課題になっている。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本船主協会」の意味・わかりやすい解説

日本船主協会
にほんせんしゅきょうかい

日本船を所有する者,賃借する者,運航業者によって 1947年に設立された社団法人。総トン数が 100t以上の汽船を対象としている。海事に関する調査研究,海運事業の公正で自由な発達のために役立つことを目的とする。沿革は 1892年社外船主をもって設立された日本船主同盟会にさかのぼる。 1901年日本海運業同盟会に改称,02年に日本船主同盟会に組織変更が行われ,さらに 20年に社船,社外船主を包含した全国的な海運業界団体に改組されて日本船主協会となった。 40年にいたって第2次世界大戦下の統制によって海運組合法に基づく日本海運協会に改められたが,これが現在の日本船主協会の前身である。大手船主のほとんどが加盟しており,90年における会員数は 167社となっている。

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