日次紀事(読み)ひなみきじ

日本歴史地名大系 「日次紀事」の解説

日次紀事
ひなみきじ

一二巻一二冊

異記 日次記事 黒川道祐(玄逸)

成立 延宝四年・貞享二年序

分類 年中行事

写本 国会図書館

版本 国会図書館・京都大学図書館

解説 京都を中心とした公俗の年中行事の解説。一月を一巻とし、毎月朔日から晦日まで日々の行事を、節序神事・公事・人事・忌日・法会開帳の順に項目立ててあり、閏月、臨時の行事は年末に収める。従前類書が、五節句など中国風の故事来歴を説いたのに対し、「洛中洛外貴賤歳時之俗事」を当世の風俗・人情を加味し記述しているのは、本書の大きな特色である。なお「日次紀事」は出版後まもなく禁書となり、再刊時には上賀茂神社以下諸社の項に改変が加えられていた。

活字本 新修京都叢書第四巻

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改訂新版 世界大百科事典 「日次紀事」の意味・わかりやすい解説

日次紀事 (ひなみきじ)

江戸前期の京都を中心とする朝野公私の年中行事解説書。黒川道祐編。1676年(延宝4)林鵞峰序。中国明朝の《月令広義》にならって編集されているが,民間の習俗行事を積極的に採録したのが特徴。正月から各月ごとに,毎月1日から月末まで日をおい,節序,神事,公事,人事,忌日,法会,開帳の項を立て,それぞれ行事の由来現況を解説している。しかし,神事や儀式には非公開をたてまえとするものもあり,出版後まもなく絶板の処分をうけた。《日本庶民生活史料集成》所収。
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百科事典マイペディア 「日次紀事」の意味・わかりやすい解説

日次紀事【ひなみきじ】

江戸前期の京都を中心とする年中行事の解説書。12巻12冊。黒川道祐(くろかわどうゆう)編。1676年林鵞峰(はやしがほう)序。月ごとに日を追って節序・神事・公事・人事・忌日・法会・開帳の項を立て,行事の由来や現況を解説する。民間の習俗行事が積極的に採録されているのが特徴。神事や儀式に非公開を建て前とするものがあったため,出版後まもなく絶板処分を受けたが,のち一部変更して再刊された。《新修京都叢書》《日本庶民生活史料集成》所収。

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