日長石(読み)にっちょうせき(その他表記)sunstone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日長石」の意味・わかりやすい解説

日長石
にっちょうせき
sunstone

サンストーンともいう。灰曹長石結晶内部に微細な赤鉄鉱の葉片状結晶が一定方向に無数に配列しているため、赤褐色の強い輝きが現れる。これを日長石といい、飾り石として利用される。日本には産しない。ただし、日本では灰長石中に自然銅が含まれ、日長石と同じように赤く輝くものを産する。ノルウェーロシアインドアメリカ合衆国などが主産地

松原 聰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日長石」の意味・わかりやすい解説

日長石
にっちょうせき
sunstone

斜長石一種で,黄金色,赤褐色などを呈し,閃光を発するもの。比重 2.62~2.65。飾石となる。この性質は斜長石中の曹灰長石の結晶中に針鉄鉱や赤鉄鉱の微細な結晶が一定の光学的な方位をもって入っているために起る。旧ソ連,北アメリカ,ノルウェーなどで産出する。月長石 (ムーンストーン ) と呼ばれる斜長石もある。

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世界大百科事典(旧版)内の日長石の言及

【長石】より

…ムーンストーンは和名を月長石といい,月光を思わせる帯青乳白色を示す。サンストーンsunstoneは和名を日長石といい,オリゴクレース(斜長石の一種)に属し,帯橙赤色を示す。内部に赤鉄鉱(ヘマタイト),針鉄鉱(ゲータイト)の薄片結晶が平行に数多く分布・内包されていることから,キラキラ輝くアベンチュリンaventurine効果を示す。…

※「日長石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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