自然銅(読み)ジネンドウ(その他表記)copper

翻訳|copper

精選版 日本国語大辞典 「自然銅」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐どう【自然銅】

  1. 〘 名詞 〙 天然に産する銅。塊状鱗状などで銅鉱床酸化帯・蛇紋岩中などに産し、ふつうは表面が変色して黒・緑・褐色などを呈する。ときに少量の銀・鉄などを含む。じねんどう。〔五国対照兵語字書(1881)〕

じねん‐どう【自然銅】

  1. 〘 名詞 〙しぜんどう(自然銅)和漢三才図会(1712)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「自然銅」の意味・わかりやすい解説

自然銅
しぜんどう
copper

金属元素鉱物の一つ。銅の鉱石鉱物となることがある。二次鉱物として銅鉱床の酸化帯中に産し、また礫岩(れきがん)の基質やある種の超塩基性岩や玄武岩、特殊な堆積(たいせき)岩、緑色岩、変成層状マンガン鉱床の鉱石(とくにブラウン鉱を含むもの)、ある種の熱水鉱脈鉱床中などに産し、ときに数百トンに及ぶ大塊をなす。自形立方体、正八面体、斜方十二面体など。コケやシダ状、皮膜状をなすこともある。日本では秋田県協和町(現、大仙(だいせん)市協和)荒川鉱山閉山)のものが有名。英名は、中世に自然銅を含む鉱物(黄銅鉱)を多産したキプロスCyprus島に由来する。

加藤 昭 2017年5月19日]


自然銅(データノート)
しぜんどうでーたのーと

自然銅
 英名    copper
 化学式   Cu
 少量成分  As
 結晶系   等軸
 硬度    2.5~3
 比重    8.93
 色     赤銅
 光沢    金属
 条痕    赤銅
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

最新 地学事典 「自然銅」の解説

しぜんどう
自然銅

copper

化学組成Cuの鉱物。微量のAg, As, Fe, Bi, Sb, Hgなどを含む。立方晶系,空間群Fm3m,格子定数a0.36077nm, 単位格子中4原子含む。淡桃色不透明で金属光沢をもつ六面体・十二面体・四六面体結晶,通常はシダ状・針金状・樹枝状・塊状などで,銅赤~褐色に変色,(111)で双晶を形成。劈開なし,硬度2.5~3,比重8.95,断口切刻状,展性・延性に富む,熱伝導や電気伝導性をもつ。反射顕微鏡下では赤銅色で,反射等方性,反射能大。容易に溶融,HNO3に徐々に溶ける。銅の鉱石鉱物で,主に各種銅鉱床の二次酸化帯に産する。酸化により赤銅鉱の皮膜で覆われる。古代の銅産地Cyprusにちなみ命名。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

百科事典マイペディア 「自然銅」の意味・わかりやすい解説

自然銅【しぜんどう】

天然に産する金属銅。銅としてはまれな産状。含銅鉱液の還元で生じ,銅鉱床の酸化帯で樹枝状,粒状をなし,金属光沢,淡紅色を示す。等軸晶系,比重8.95,硬度2.5〜3,少量の銀,ヒ素,ビスマス,アンチモンなどを含む。米国スペリオル湖岸には世界でも珍しい自然銅の鉱山があり,玄武岩やレキ(礫)岩のすきまに,砂粒ぐらいのものから直径最大2mぐらいまでの銅のかたまりを産する。
→関連項目元素鉱物

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の自然銅の言及

【元素鉱物】より

…30種以上の元素鉱物が知られている。元素鉱物には,自然金Au,自然銀Ag,自然銅Cu,自然鉄Fe,自然ニッケル鉄(Ni,Fe),自然白金Pt,自然ルテニウムRu,イリドスミン(Os,Ir),オスミリジウム(Ir,Os)などの金属元素鉱物,自然ヒ(砒)(別名,自然ヒ素)As,自然アンチモンSb,アレモン鉱AsSb,自然ソウ鉛Bi,自然テルルTeなどの半金属元素鉱物,および自然硫黄S,グラファイトC,ダイヤモンドCの非金属元素鉱物の3亜類がある。自然金は,各種金銀鉱床(熱水鉱脈鉱床,接触交代鉱床)中におもに石英に伴われて産する。…

【銅】より


[存在]
 銅の鉱物は種類が多いが,大部分は硫化鉱であり,そのうち主要鉱物は黄銅鉱CuFeS2(Cu34.6%)である。自然銅としてはアメリカのスペリオル湖畔などに産するが,あまり多くない。採掘される銅の鉱石(粗鉱)には,銅の鉱物のほか,岩石や他の金属鉱物も数多く含まれ,鉱床の種類によって随伴する鉱物は異なる。…

※「自然銅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む