日本大百科全書(ニッポニカ) 「日長調節栽培」の意味・わかりやすい解説
日長調節栽培
にっちょうちょうせつさいばい
植物の栽培に際し、人工的に日照時間を調節することによって、開花を促進させたり、抑制したりする栽培法をいう。
植物が開花するには花芽の形成が必要であるが、これには日長時間(昼の長さ)が関係する。日長がある時間以下(短日)になると花芽を形成して開花するものを短日性植物といい、日長がある時間以上(長日)になると花芽を形成して開花するものを長日性植物という。しかし、なかには熱帯性植物のようにどちらともつかない例外もあり、これを中間性植物とよんでいる。
園芸では、これらの植物の日長反応の性質や特徴を利用した栽培が行われている。たとえば、短日になると花芽を形成する植物を、より早く開花させる手法として、長日期に人工的に夜の時間をつくる短日栽培や、短日で開花するものを逆に遅らせるために、人工光線で長日にして生育だけを促す長日栽培がある。
[堀 保男]