遮光栽培(読み)しゃこうさいばい(英語表記)shield cultivation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遮光栽培
しゃこうさいばい
shield cultivation

シェード栽培ともいう。短日性の作物を,開花期を早めるために自然の日照時間を制限して栽培すること。日々の昼夜長短植物の生長発育に著しい影響を与えることは,経験によって早くから知られていた。日照効果についての研究がアメリカの W.ガーナーらによって 1920年に発表されてから,それに基づく開花促進抑制の方法の研究が行われた。日本では昭和初期以来,日照効果の栽培への応用は,の開花促進技術として広く普及している。

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百科事典マイペディアの解説

遮光栽培【しゃこうさいばい】

キク,ポインセチア,アサガオなどの短日植物を短日状態に管理して早出し栽培する方法。日照時間が9時間,暗やみが15時間となるように,たとえば,毎日夕刻5時に遮光を始め翌朝8時に露光する。これを35〜45日続けると開花するようになる。遮光は露地や室内に植え付けた苗や鉢植の上にわくを組み,こも,むしろ,黒,黒ビニルなどのおおいをかける。→電照栽培

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃこうさいばい【遮光栽培】

植物の花芽形成には日長が重要な影響を及ぼしており,キク(秋ギク)やポインセチアなどは日長がある特定の時間よりも短くなった場合にだけ花芽を形成する。このような短日植物を日長の長い時期に開花させるために,毎日一定時間黒布や黒ビニルなどで植物体を被覆し,人為的に日長を短くして栽培することを遮光栽培またはシェード栽培という。おもにキク(秋ギク)で行われるが,ポインセチア,カランコエ,シャコバサボテンなどで行われることもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遮光栽培
しゃこうさいばい

植物の開花促進を図るために、光線を遮断して日照時間を人工的に短縮する栽培をいう。植物が日長(昼の長さ)の長短に反応する性質(光周性)を利用したもので、普通秋から冬に花を咲かせる短日性植物を6~8月の長日期間に開花させる手法である。短日操作、シェードカルチャー、遮蔽(しゃへい)栽培ともいう。鉢ギク、ポインセチア、カランコエなどによく利用される。

 遮光は普通、温室、プラスチックハウス(ビニルハウス)などの施設内で行われる。被覆材料は黒色ビニル(黒布)、シルバーポリエチレンシート、アスファルトペーパーなどで、小トンネル栽培では薦(こも)類が用いられる。遮光方法は植物の種類により一定ではないが、一般的には夕方早く(4~5時)に被覆し、朝遅く(7~8時)取り除く。植物が花芽を形成する期間被覆処理するが、早いもので20日、長期のものは60日くらいを要する。また、園芸植物で強い日照を嫌う種類を栽培するとき、日覆いをかけて減光することも遮光というが、短日処理による遮光とは区別する必要がある。

 なお遮光栽培を逆利用して長日にし、成長の促進や開花調節する方法を電照栽培という。

[堀 保男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

しゃこう‐さいばい シャクヮウ‥【遮光栽培】

〘名〙 短日性植物の開花期を早めるために行なう栽培操作。夕方、植物を遮光性のある黒色の布、むしろなどで覆い日照期間を短くする。キクを主とした園芸植物の栽培に用いられる。遮蔽栽培。

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