国指定史跡ガイド 「是川石器時代遺跡」の解説
これかわせっきじだいいせき【是川石器時代遺跡】
青森県八戸(はちのへ)市是川にある縄文時代の集落跡。市の南東部、新井田(にいだ)川沿いの河岸段丘にあり、中居遺跡・一王子(いちおうじ)遺跡・堀田遺跡の3つを総称して呼ばれている。縄文時代晩期とされる中居遺跡からは、多数の土坑墓が発見され、赤色顔料に染まった人骨も出土している。また、石器・石製品・土製品のほか、湿地の泥炭層からは木製品(弓・太刀・二弦琴・櫛・腕輪・椀・鉢・高杯(たかつき))、樹皮を利用した編み物、堅果種子・草本などが出土し、土器・土製品には黒・赤の漆を塗布したものもある。一王寺遺跡からは縄文時代前期から中期の円筒土器のほか、石器・石製品・土製品、骨角器、貝類、魚類、哺乳類の骨角などが出土している。堀田遺跡からはおもに縄文時代中期後半の土器をはじめ、弥生時代の籾痕(もみあと)をもつ土器、石器・石製品などのほか、方形石組み炉をもつ円形竪穴(たてあな)住居跡も発見されている。1957年(昭和32)に国の史跡に指定され、2004年(平成16)に範囲を広げて追加指定された。遺跡から出土した土器や木製品には漆塗りのものが多いという特徴があり、出土品のうち963点は重要文化財となっている。2011年(平成23)に是川縄文館が開館した。JR八戸線本八戸駅から車で約18分。