( 1 )その所在は、「能因歌枕」が伊賀とするが、「和歌初学抄」「八雲御抄」などは山城とするなど、一つの場所に特定できない。
( 2 )一般に鞍馬山の古名といわれるが、鞍馬山は、数多くの「くらぶやま」の一つであり、「暗し」のイメージの共通性によって言い換えられることが多かったとみるべきである。また、「くらぶ山」は雅語で日常的には「くらま山」であったか、とも考えられている。
著名な歌枕だが所在は不明。近世の地誌では「都花月名所」が鞍馬と同じ、「京羽二重」が「くらま山のつゞき」、「山城名勝志」が「貴布禰山と同じ」とし、「大日本地名辞書」は「鞍馬は古名
中世の歌学書「能因歌枕」は伊賀とする。
「日本書紀」天武紀にある「
とあり、ここでは山城、それも嵯峨野から遠からざる所ということになる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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