暗部山(読み)クラブヤマ

デジタル大辞泉 「暗部山」の意味・読み・例文・類語

くらぶ‐やま【暗部山/闇部山】

鞍馬山古称。くらぶの山。[歌枕
「梅の花にほふ春べは―闇に越ゆれどしるくぞありける」〈古今・春上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「暗部山」の解説

暗部山
くらぶやま

著名な歌枕だが所在は不明。近世の地誌では「都花月名所」が鞍馬と同じ、「京羽二重」が「くらま山のつゞき」、「山城名勝志」が「貴布禰山と同じ」とし、「大日本地名辞書」は「鞍馬は古名闇部くらぶ」とするが、いずれも根拠はない。

中世の歌学書「能因歌枕」は伊賀とする。

「日本書紀」天武紀にある「倉歴くらふ(現三重県阿山郡柘植町)によるものであろう。だが「五代集歌枕」「和歌初学抄」「八雲御抄」「八代集抄」は山城とする。また歌学書は「くらぶ山」と「くらま山」を別に立て、「後撰集」では各々二首をのせるので、別のものとして扱っていることがわかる。さらに「源順集」の歌合に、

<資料は省略されています>

とあり、ここでは山城、それも嵯峨野から遠からざる所ということになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android