鞍馬山(読み)クラマヤマ

デジタル大辞泉 「鞍馬山」の意味・読み・例文・類語

くらま‐やま【鞍馬山】

京都市北部の山。標高570メートル。中腹鞍馬寺がある。牛若丸源義経)が天狗てんぐから武技を学んだ伝説で知られる。暗部山くらぶやま

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精選版 日本国語大辞典 「鞍馬山」の意味・読み・例文・類語

くらま‐やま【鞍馬山】

  1. [ 一 ] 京都市左京区にある北山の一峰。西方の貴船山と対する。国有林深山の趣を残し、中腹に鞍馬寺がある。くらま。くらまのやま。→「くらぶやま(暗部山)」の補注
  2. [ 二 ] 長唄。河竹黙阿彌作詞。二世杵屋勝三郎作曲。安政三年(一八五六江戸市村座初演。「倡女誠長田忠孝(じょろのまことおさだのちゅうこう)」の鞍馬山の場で、歌舞伎では「鞍馬山のだんまり」として、この後にだんまりをつけて演じる。牛若丸に天狗が襲いかかる立ち回りに用いた大薩摩風の曲。稽古用に改訂した曲が伝存

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日本歴史地名大系 「鞍馬山」の解説

鞍馬山
くらまやま

京都北部にある山。東は鞍馬川、西は貴船きぶね川にはさまれ、標高五六九メートル。全山、老杉巨檜が生茂り、植物は原生のものが多く、古名を「くらぶ山」とする説がある。また延暦一五年(七九六)創建と伝える鞍馬寺が南中腹にあり、鞍馬・鞍馬山が鞍馬寺をさす場合が多い。

山は春の桜、秋の紅葉で知られ、桜は平安時代から雲珠うず桜として名高い。

<資料は省略されています>

応永一四年(一四〇七)三月三日には「北山殿、鞍馬花歴覧、細川今日御供」(教言卿記)と、足利義満が訪れている。

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改訂新版 世界大百科事典 「鞍馬山」の意味・わかりやすい解説

鞍馬山 (くらまやま)

京都市左京区北東部の山。標高584m。京福電鉄(現,叡山電鉄)鞍馬線終点の鞍馬駅北西にあり,東側を鞍馬川,西側を貴船川に限られた古生層の山で,この山稜の最高点は約4km北側の花背峠南西方にある天狗杉の837m。近世には火打石の名産地として知られた。京都市街近傍にありながらうっそうと老杉が茂り,深山の趣が深い。山腹には鞍馬寺があり,ふもとには鞍馬街道に沿って門前町鞍馬が発達している。現在も四季を通じて多数の観光客が訪れる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鞍馬山」の意味・わかりやすい解説

鞍馬山
くらまやま

京都市北東部にある山。標高 570m。左京区に属する。賀茂川上流の貴船川を挟んで貴船山に対する。山腹の鞍馬寺謡曲鞍馬天狗』や牛若丸の修行地として有名。毎年6月 20日に行なわれる竹伐会式 (たけきりのえしき) ,10月 22日夜半に行なわれる鞍馬寺の氏神由岐神社の火祭は広く知られる。山麓に門前町 (→鞍馬 ) がある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「鞍馬山」の解説

鞍馬山
〔長唄〕
くらまやま

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
河竹新七(2代)
演者
杵屋勝三郎(2代)
初演
安政4.11(江戸・市村座)

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