暮しの手帖(読み)くらしのてちょう

改訂新版 世界大百科事典 「暮しの手帖」の意味・わかりやすい解説

暮しの手帖 (くらしのてちょう)

花森安治(1911-78)が設立した衣裳研究所,のち暮しの手帖社から刊行されている隔月刊の婦人家庭雑誌。1948年9月《美しい暮しの手帖》という誌名で創刊。54年3月から《暮しの手帖》と改称されたが,〈暮しの変革理念よりも日常生活の実践を通して〉行おうとする編集方針は当初より一貫している。多くの雑誌が商品広告であふれている今日,スポンサー意向によって内容が左右されるのを防ぐため,同誌には他社の広告がいっさい入っていない。したがって,56年以来同誌が実施している〈商品テスト〉の結果は信頼性が高く,誌上に発表のつど話題とされる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 海老原 中心

日本大百科全書(ニッポニカ) 「暮しの手帖」の意味・わかりやすい解説

暮しの手帖
くらしのてちょう

1948年(昭和23)花森安治(やすじ)、大橋鎮子(しずこ)によって創刊された生活雑誌。当初は季刊、現在は隔月刊。暮しの手帖社(株)発行。花森がもっぱら編集面を担当したが、広告をいっさい廃し、26号(1954)から「商品テスト」を連載した。その目的は、賢い消費者を育てるという消費者運動と異なり、より直接的によい商品だけをつくってもらうことを生産者に訴えることにあった。商品テストは社会批評であり、文明批評であると花森は書いている(『一五厘の旗』1971)。78年1月花森の死後もこの伝統は守られている。

[京谷秀夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「暮しの手帖」の意味・わかりやすい解説

暮しの手帖【くらしのてちょう】

1948年衣裳研究所(1946年創立)の花森安治,大橋鎮子らが《美しい暮しの手帖》の誌名で創刊した雑誌。1954年現名に改称。初め季刊だったが現在隔月刊。衣食住合理化をめざし,自ら市販商品の使用テスト・分析を行い,その結果を掲載するなど特異な編集方針をもつ。他社の広告は一切掲載しない。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「暮しの手帖」の解説

暮しの手帖

株式会社暮しの手帖社が発行する生活実用情報誌。1948年、「美しい暮しの手帖」として創刊(当初は季刊)。1953年刊行の22号より現誌名となる。衣・食・住がテーマ。広告を掲載せず、実名をあげて商品を評価する“商品テスト”のコーナーなどで、女性を中心とする読者支持を得た。隔月刊。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む