書替える（読み）カキカエル

デジタル大辞泉

かき‐か・える〔‐かへる〕【書（き）替える／書（き）換える】

［動ア下一］［文］かきか・ふ［ハ下二］
１ 書き改める。書きなおす。「近代史を―・えるに足る史料の発見」
２ 通用する別の文字を使って書く。「常用漢字表内の漢字に―・える」
３ 期限の切れる証書の代わりに新しく証書をつくる。「契約書を―・える」
[類語]書き直す・書き改める・改作・改稿・リライト・焼き直し

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かき‐か・える‥かへる【書替・書換】

1. 〘 他動詞 ア行下一（ハ下一） 〙
   [ 文語形 ]かきか・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 室町時代頃からヤ行にも活用した )
2. ① 書きそこなったものを書き改める。書き直す。
   1. [初出の実例]「かきかへ給へりける紙の」(出典：源氏物語（1001‐14頃）横笛)
   2. 「Caqicaye, uru, eta(カキカユル)」(出典：日葡辞書（1603‐04）)
3. ② 書風を変えて書く。筆跡を変えて書く。趣向を変えてかく。
   1. [初出の実例]「御たたう紙に、いたうあらぬさまにかきかへ給ひて」(出典：源氏物語（1001‐14頃）夕顔)
4. ③ 他の通用できる文字を用いて書く。
   1. [初出の実例]「士字事字通ずるほどにかきかへたぞ」(出典：寛永刊本蒙求抄（1529頃）一〇)
5. ④ 効力を失う証書などのかわりに、それを受け継ぐ効力のある証書をつくる。または、権利を受け継いだとき、その名義をかえる。
   1. [初出の実例]「伊勢屋の小兵衛殿が、此間の五両を書替、十両にしてくれと頼んで参りました」(出典：歌舞伎・小袖曾我薊色縫（十六夜清心）（1859）序幕)
   2. 「財産が父の死ぬ前自分の名前に書換へられた」(出典：野心（1902）〈永井荷風〉二)

出典　精選版 日本国語大辞典