曽呂利新左衛門(読み)ソロリシンザエモン

デジタル大辞泉 「曽呂利新左衛門」の意味・読み・例文・類語

そろり‐しんざえもん〔‐シンザヱモン〕【曽呂利新左衛門】

豊臣秀吉の臣。の人。鞘師さやしを業とし、鞘に刀がよく合ったので、「そろり」の異名がついたという。頓知とんちに富み、和歌・茶事・狂歌にもすぐれたというが、実在を疑う説もある。生没年未詳。

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新撰 芸能人物事典 明治~平成 「曽呂利新左衛門」の解説

曽呂利 新左衛門(2代目)
ソロリ シンザエモン


職業
落語家

本名
猪里 重次郎

別名
前名=笑福亭 松竹,桂 文之助(初代)

生年月日
弘化1年 10月15日

出生地
大坂・北堀江(大阪府)

経歴
大坂新町の七切商(友染模様付)の息子。幼少から猫丸の名で素人落語に熱中。勘当されて幇間になるが、客分で寄席に出る。慶応1(1865)年、京都で初代笑福亭松鶴の門人となり松竹の名で、矢田の席で初高座をつとめる。しかし、不身持ちから破門され梅香または梅花の名で、末広席で座長をつとめた。のち明治6年、初代桂文枝の門人となり、文之助と改める。17、8年頃幾代亭に出演後、上京して東京の寄席に出演。翌19年京都に帰り、2代目曽呂利新左衛門と改名する。豊臣秀吉のお伽衆であった曽呂利新左衛門を初代として2代目を称した。29年から浪花三友派に加入し、のち会長になった。45年3月引退。以後は風流三昧の日を送るが、大正3年6月26日「香典保存会」と称して生前葬を営み世間を驚かせた。得意の演目に「百年目」「下の関水」「月宮殿」などがある。

没年月日
大正12年 7月2日 (1923年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽呂利新左衛門」の意味・わかりやすい解説

曽呂利新左衛門
そろりしんざえもん

生没年不詳。安土(あづち)桃山時代の人。豊臣(とよとみ)秀吉の御伽衆(おとぎしゅう)と伝えられる。和泉(いずみ)国(大阪府)堺(さかい)または大鳥郡の出身という。刀の鞘(さや)師が家業で、刀を差し入れると「そろり」とよく合ったため曽呂利といわれたという。本名は杉本甚兵衛(じんべえ)とも坂内宗拾(さかうちそうしゅう)とも伝えられる。和歌、茶道、香道と狂歌をよくし、話上手なうえに頓智(とんち)の才があり秀吉に愛されたという。その頓智話は『甲子夜話(かっしやわ)』などの随筆集に収められ、また『曽呂利狂歌咄(ばなし)』などが残されている。しかし実在の人物であったかどうか不明。

[煎本増夫]

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