朝日日本歴史人物事典 「朝山意林庵」の解説
朝山意林庵
生年:天正17.9.8(1589.10.17)
江戸時代前期の儒者。名は素心,意林庵は号。初め仏門に学び僧となるが,のちに儒学に転じて朱子学を奉じた。細川忠利や徳川忠長に仕えたが,寛永8(1631)年の帰京後は出仕しなかった。学殖の評価は高く,処士(浪人)の身で承応2(1653)年2月2日に参内して後光明天皇に『中庸』を進講した。詩文集は伝わらず,小瀬甫庵『太閤記』の跋,『わらんべ草』の序などだけが残る。仮名草子『清水物語』(1638)は彼の作とされているが,確証はない。<参考文献>三浦周行「後光明天皇の御好学と朝山意林庵」(『史学雑誌』23巻4号)
(高橋文博)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報