木生シダ(読み)もくせいシダ(英語表記)tree fern

翻訳|tree fern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木生シダ」の意味・わかりやすい解説

木生シダ
もくせいシダ
tree fern

熱帯亜熱帯に広く分布する,茎が直立して高く伸びる大型のシダのことで,いわゆる木本とは異なる。そのほとんどはヘゴ科に属するもので,ほかにタカワラビ科も木生シダである。ヘゴ科は約 600~1500種から成り,茎は鱗片を有し,複雑な中心柱をもち,茎頂に大型の羽状複葉を叢生するものが多い。葉柄には鱗片のほかにとげのあるものが多く,その形態はヘゴ科の分類に用いられる。一方,タカワラビ科は,環帯の様子から古くはヘゴ科に入れられていたが,鱗片がなく毛だけをもち,胞子嚢群が葉縁につくなどの点で,ヘゴ科から区別される。日本には,ヘゴ科のヒカゲヘゴ,マルハチ,クロヘゴ,ヘゴ,メヘゴなどや,タカワラビ科のタカワラビがある。ヘゴの茎はヘゴ材として,着生ランなどの栽培,アイビーの支柱などに利用されている。

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