(読み)ザイ

デジタル大辞泉 「材」の意味・読み・例文・類語

ざい【材】[漢字項目]

[音]ザイ(呉) サイ(漢)
学習漢字]4年
原料となる木。「材木角材製材
原料となるもの。「材料器材教材鋼材資材取材素材題材
役に立つ素質能力。「逸材人材適材
[名のり]えだ・き・もとき・もとし

ざい【材】

材木。木材。「通し柱に太いを使ってある」
原料。材料。「印のつのを用いる」
才能。また、才能のある人。「国家有用の
[類語](2材料素材りょう資材原料マテリアルマチエール

さい【材/財】[漢字項目]

〈材〉⇒ざい
〈財〉⇒ざい

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精選版 日本国語大辞典 「材」の意味・読み・例文・類語

ざい【材】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 材木。木材。「杉材」 〔植学啓原(1833)〕 〔周礼‐天官〕
  3. 能力。才能。もちまえ。才。また、それをもっている人。
    1. [初出の実例]「有源家余裔尊氏直義。無忠貪大祿、不材登高官」(出典太平記(14C後)二〇)
    2. [その他の文献]〔荘子‐山木〕
  4. 製造、加工のもとになる物質。原料。材料。料。比喩的にも用いる。
    1. [初出の実例]「良匠無(サイ)、明君無士〔帝範〕」(出典:文明本節用集(室町中))
    2. [その他の文献]〔周礼‐天官〕

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普及版 字通 「材」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] ザイ・サイ
[字訓] あらき・もちまえ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は才(さい)。才は聖標識。榜示に用いるもの。支配・占有より、存在するものを意味する。材は木材のほかに、存在するものの材質をもいう。〔説文〕六上に「木の梃なり」とあり、製材したものをいう。〔史記、貨殖伝〕「山居千の材」は千石の材。木の量は方材を単位として数える。才の声義を承け、才と通用する例が多い。

[訓義]
1. ざいもく、あらき。
2. 才と通じ、本来のもの、もちまえ、たち、はたらき、ちから、からだ。
3. 裁と通じ、はかる、きりもりする。
4. 財と通じ、たから。
5. 才・纔と通じ、わずか。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕材 加万不(かまふ) 〔立〕材 ヲキ・ツクリキ 〔字鏡集〕材 キ・キノネ

[語系]
材・才・財dzは同声。才は存在を示す字で、存在し機能するものをいう。材・財はその声義を承けて、材用とすべきものをいう。裁dzも声義に通ずるところがある。また纔dz、哉tzには、「わずかに」「わずかによく」の意がある。才系統の字に「はじめて」の意があり、それを条件的に用いて副詞とする。才・(さい)の声系の字は、もと一系の語である。*語彙は才字条参照。

[熟語]
材異・材愨・材幹・材官・材器・材気・材技・材伎・材芸・材劇・材傑・材行・材士・材資・材識・材質・材術・材俊・材儁・材臣・材人・材性・材碩・材卒・材智・材致・材童・材徳・材能・材品・材武・材物・材分・材朴・材樸・材木・材・材勇・材用・材吏・材略・材良・材料・材力
[下接語]
異材・偉材・逸材・印材・画材・雅材・角材・官材・奇材・器材・機材・巨材・教材・翹材・群材・建材・堅材・硯材・貢材・鋼材・散材・詩材・資材・取材・俊材・称材・常材・飾材・心材・人材・製材・石材・積材・素材・礎材・題材・珍材・適材・鉄材・天材・伐材・美材・不材・凡材・民材・木材・雄材・用材・良材・梁材・令材・肋材・話材

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改訂新版 世界大百科事典 「材」の意味・わかりやすい解説

材 (ざい)
wood

木本植物形成層活動によってつくられる二次木部をいう。管状要素(道管要素あるいは仮道管),木部柔組織細胞,木部繊維などからなり,細胞壁は二次壁をもっていて厚く,木化する。形成層からつくられてしばらくは水分の通道に役だつが,やがてその機能を失い,その後は植物体の重い地上部を支える支持の働きをする。温帯寒帯では形成層活動の季節変化によって年輪がつくられ,春材と夏材(または秋材)が区別できる。熱帯樹木では年輪が明確ではないが,雨季乾季を反映する構造がみられる場合がある。裸子植物の材はふつう仮道管が多く,比較的一様な構造であるが,被子植物では多くの場合,道管要素からなる道管が目だち,道管の大きさや配列によってさまざまなタイプの材がある。材は機械的に強固であるから,木材として建築や家具などに利用される一方,化学的に処理してパルプをつくり,紙などとして利用される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「材」の意味・わかりやすい解説


ざい

植物において、形成層の活動によってその内側に形成された二次木部をいう。形成層の活動の程度や永続性は植物の種類で異なり、数年以上にわたって材を形成し続けるのがいわゆる樹木である。

[鈴木三男]

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【木材】より

…木本植物の木質化した部分の呼称。樹木として生きている立木(りゆうぼく)は根,幹,枝の各部分で内側に木材を,外側に樹皮を生産し続けている。これは樹皮と木材の中間にある形成層の働きによるものであるが,樹皮に比べて木材の生産量がはるかに多いので,木材は樹木の大部分を占め,樹木は外側に肥大していき,上下にも伸びていく。この木材の中で,その形質を生かして工業的あるいは工芸的に主として利用されるのは幹の部分(太い枝の部分も含む)であり,その他はパルプ材,燃料材などのように原材料的に使われることが多い。…

【木】より

… 維管束植物のうち,現生のシダ植物には,ハナヤスリ科など少数の例を除いて二次肥大生長をするものがないので,典型的な木本植物はない。ヘゴの仲間は直径30cmにも及ぶ幹をつくり,木生シダ類といわれるが,この幹は立ち上がった茎(二次生長はみられず,せいぜい直径3cmくらい)の周辺に,葉柄の基部や根が絡まって太い見せかけをつくっているだけで,材の発達した真正の樹幹はもたない。古生代には,有節植物や小葉植物に属する封印木,蘆木(ろぼく)や鱗木のように高さ数十mに達するものも生育していた。…

【厚角組織】より

…厚角組織そのものが厚壁組織にかわることもある。また,二次組織の中では,材が支持の働きをもっている。【原 襄】。…

※「材」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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