(読み)ダ

デジタル大辞泉 「朶」の意味・読み・例文・類語

だ【朶】[漢字項目]

[音]ダ(慣)
枝などが垂れ下がる。また、枝。「朶雲だうん耳朶じだ粗朶万朶

だ【×朶】

[接尾]助数詞
枝についている花ぶさを数えるのに用いる。「万の桜」
雲や山など、かたまりになっているものを数えるのに用いる。
四五―の山の雨に粧へる色、両三行の雁の雲に点ずる秋」〈和漢朗詠・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「朶」の意味・読み・例文・類語

だ【朶】

  1. 〘 接尾語 〙
  2. 枝についている花ぶさ、または花の枝を数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「粛気凝、烈朶帯寒霜」(出典菅家文草(900頃)四・霜菊詩)
    2. 「数朶の卯の花籬に開き恰も一堆の雪に似たり」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉四)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐江畔独歩尋花七絶句・其六〕
  3. 雲や山などかたまりになっているものを数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「四五朶の山の雨に粧(よそほ)へる色、両三行の雁の雲に点ずる秋〈杜荀鶴〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
    2. [その他の文献]〔李羣玉‐杜丞相悰筵中贈美人詩〕

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普及版 字通 「朶」の読み・字形・画数・意味


6画

(異体字)
6画

[字音]
[字訓] しだれる・えだ・うごかす

[説文解字]

[字形] 象形
枝先の花が垂れて動く形。〔説文〕六上に「樹木垂るることたり。木に從ひ、象形。此れ(すい)と同なり」とあり、は穂の秀でる形。朶の上部は秀の下部と同じく花房の形で、秀は穀類の花をいう。その垂れ動くさまが、獣が食を求めて顎(あご)を動かすのに似ているので、食べたいようすをすることを朶頤(だい)という。

[訓義]
1. しだれる、しだれるえだ、しだれるはな。
2. うごく、うごかす。
3. えだをとる、ひく。

[古辞書の訓]
名義抄〕朶 エダ・コズヱ 〔立〕朶 トブサ・エダ・モトエダ

[声系]
〔説文〕に朶声の字として、など三字を収める。(むち)、細くてたわむ意をとる。

[語系]
朶tuai、多tai、また墮(隋・)duaiは声近く、多は重ねた肉、墮はその重ねた肉が崩れようとするさまで、花枝の垂れうごくさまと相似た状態をいう。同じ語系とみてよい。

[熟語]
朶頤・朶雲・朶朶子朶朶朶殿朶廊朶楼
[下接語]
一朶・雲朶・花朶・冠朶・幾朶・五朶・釵朶・歯朶・耳朶・千朶・繊朶・双朶・鈿朶・半朶・両朶

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