李在(読み)りざい

百科事典マイペディア 「李在」の意味・わかりやすい解説

李在【りざい】

中国,明初の画家生没年不詳。宣徳年間(1426年―1435年)に戴進とともに宮廷画院に入った。郭煕(かくき),馬遠夏珪らを学び,闊達(かったつ)でしかも重厚な山水画を描いた。戴進から浙派影響を受けたとも伝える。渡明した雪舟設色破墨の法を教授した人としても知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「李在」の意味・わかりやすい解説

李在 (りざい)
Lǐ Zài

中国,明初の永楽・宣徳年間(1403-35)の画家。生没年不詳。字は以政。莆田福建省)の人。浙派の山水画家の一人で,南宋の馬遠,夏珪を学んだが,中央に主峰,前景に長松を構えるなど,より多く郭熙を宗とし,元代李郭派の影響が著しい。一時,雲南に移ったといわれるが,のちに画院に入って仁智殿に出仕した。日本の雪舟は,入明したとき,李在に設色と破墨の法を学んだと記している。代表作に《山水図》(東京国立博物館)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「李在」の意味・わかりやすい解説

李在
りざい

生没年未詳。中国、明(みん)代前期の画家。字(あざな)は以政。莆田(ほでん)(福建省)の人。雪舟(せっしゅう)に影響を与えた画家として有名。宣徳(1426~1435)のとき、戴進(たいしん)、謝環(しゃかん)、石鋭(せきえい)、周文靖(しゅうぶんせい)とともに仁智殿で画院画家として活躍した。郭煕(かくき)、馬遠(ばえん)、夏珪(かけい)を学んだといわれるが、その筆触荒々しく墨面も重い画風は、同時期の戴進から強い影響を受けているものと思われる。代表作は『山水図』(東京国立博物館)、『雪景山水図』(京都、個人蔵)。

[近藤秀実]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李在」の意味・わかりやすい解説

李在
りざい
Li Zai

中国,明の浙派 (せっぱ) の画家。ほ田 (ほでん。福建省) の人で,のち雲南に移った。字は以政。宣徳の画院に入り,戴進と並んで山水の名手として著名。李成,郭煕,馬遠,夏珪の山水画風を折衷し,雄大な構図秀潤画趣の画風を立てた。日本の画僧雪舟が入明時に彼に絵を学んだことが,『破墨山水図』の序から知られる。遺品に『山水図』 (東京国立博物館) がある。

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