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破墨 はぼく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

破墨
はぼく

水墨画の技法。「墨を破る」というのは「淡墨をもって淡墨を破る」,すなわち淡墨の上に淡墨を重ね,あるいは「濃墨をもって淡墨を破る」という解釈のように,墨を重ねて墨の濃淡で立体感を表現する技法をいう。また作画の最終工程 (破墨之功) をもさし,皴法 (しゅんぽう) ,たとえば披麻皴,斧劈 (ふへき) 皴を施すことをも意味する。雪舟筆の著名な『破墨山水図』 (東京国立博物館) の用例は雪舟の誤解か,あるいは単に水墨の意味であろう。

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デジタル大辞泉の解説

は‐ぼく【破墨】

水墨画の技法の一。淡墨で描いた上に、さらに濃墨で手を入れて立体感や全体の趣などを表すこと。中国、盛唐前期に始まる。→溌墨(はつぼく)

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百科事典マイペディアの解説

破墨【はぼく】

水墨画の基本的画法の一つ。墨のぼかしで物象の凹凸陰陽,すなわち立体感を表す方法とされる。基本的形体は筆線によって描く。→溌墨(はつぼく)
→関連項目雪舟李在

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世界大百科事典 第2版の解説

はぼく【破墨 pò mò】

水墨画制作のある段階までに得られた,画面の全体的あるいは部分的な調和をさらに墨によって破り,より高い調和を求めること。ある墨面の広がりを破る場合,墨を重ねて物の凹凸深浅を表現していく技法となり,ある筆線の連なりを破る場合,披麻皴などの皴法(しゆんぽう)を補って山容表現を完成に導いていくものとなる。その技法としての内実は,盛唐以来の山水樹石画の発展に伴って変化し豊かになったと考えられる。潑墨【小川 裕充】

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大辞林 第三版の解説

はぼく【破墨】

水墨画の技法の一。淡墨の上に濃墨を加え、濃淡を表すもの。中国、盛唐に始まり、描線を重んじた伝統絵画に大きな変化をもたらした。 → 潑墨はつぼく

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

破墨
はぼく

溌墨(はつぼく)とともに水墨画の技法を示す語。溌墨が先淡後濃といわれるのに対し、破墨は先濃後淡といわれる用墨法で、まず濃墨によってだいたいの形を描き、そののち淡墨を重ねて濃淡をつけたり、岩石の皴(しゅん)などを描き加えて立体感や生動感を表すもの。中国の盛唐前期(8世紀初頭)に山水樹石画などに用いられ、溌墨とともに水墨山水画発達の技法的な原動力となった。[榊原 悟]

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世界大百科事典内の破墨の言及

【水墨画】より

…その非難の対象となったものは,墨を口に含んで吹きつけて雲を描く吹雲という技法や山水画家の用いる潑墨といった技法で,その理由は線がないということであった。実際このころ,巷間で破墨とか潑墨とか呼ばれる技法が流行したようで,それらは山水樹石を主題としてとりあげ,用墨を重視して用筆すなわち線描を軽視ないしは否定するような傾向があった。中世絵画にあっては人物画が主題の中心を占め,山水画が独立して描かれることはまれで,山水や樹石は人物画の背景として図式的・装飾的に描かれるのが普通であった。…

※「破墨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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