李達)(読み)りたつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「李達)」の意味・わかりやすい解説

李達((1890―1966))
りたつ / リーター
(1890―1966)

中国の社会科学者。湖南省零陵(れいりょう)の人。字(あざな)は鶴明。1913年(大正2)日本に留学し、初め科学を学ぶが、のちマルクス主義を学び、その紹介に努めた。帰国後中国共産党の創立に参加し、『新青年』を編集した。1923年離党し、以降、曁南(きなん)大学、北平大学、中山大学、湖南大学などでマルクス経済学政治学を講じた。新中国成立後、再入党し教育界、学界要職歴任。マルクス主義に関する著書翻訳書が多数ある。

[阿川修三]


李達(中国、明)
りたつ

生没年不詳。中国、明(みん)初の永楽年間(1403~24)に4回にわたって西域(せいいき)に奉使した人。第1回は1407年、東チャガタイ・ハンの援助要請に応じたもので、ビシュバリクを訪れた。第2回は1413年、ティームール朝の第3代の王シャー・ルフ遣使に随行してヘラートを訪れたが、このとき彼の副使として同行した陳誠・李暹(りせん)の記録である『西域行程記』『西域番国志』は明初の西域についてのもっとも詳しい資料となっている。第3回は1416年東チャガタイ・ハン、ムハンマドの死を弔うため傅安(ふあん)と同行した。第4回はシャー・ルフおよびサマルカンドウルグ・ベクの遣使に随行したもので、途中ハミ王位を簒奪(さんだつ)した東チャガタイ・ハンのバイスをイリバリで招撫(しょうぶ)した。

松村 潤]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李達)」の意味・わかりやすい解説

李達
りたつ
Li Da; Li Ta

中国,初の宦官。湖南省零陵県の人。字は鶴明。永楽年間 (1403~24) 4回にわたり西域に使いした。第1回は永楽5 (07) 年モグリスタン (東チャガタイ・ハン国) のビシバリクを訪れた。第2回は同 11年チムール朝の第3代王シャー・ルフの居城ヘラートにおもむき,中央アジア諸国を巡歴して帰国した。そのときの随行者の記録『西域行程記』は明初の西域を知る重要資料。第3回は同 14年東チャガタイ・ハン国へ,第4回は同 16年サマルカンドなどへ使いしたが,その後の行動については不明。

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