ビシュバリク(読み)びしゅばりく(英語表記)Biš balïq

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビシュバリク」の意味・わかりやすい解説

ビシュバリク
びしゅばりく
Biš balïq

中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区、東部天山山脈北麓(ほくろく)にあった城塞(じょうさい)都市。トルコ語で「五つの城市」を意味し、突厥(とっけつ)碑文に初めて現れる。唐代の史書には「五城」、後代には「鼈思馬」「別失八里」「別石把」などと記された。唐の支配のあと、トルコ系諸族が移住し、9世紀後半以後西ウイグル国の一中心となって元(げん)初まで栄えた。長春真人(ちょうしゅんしんじん)などの旅行者が記録を残している。この城市を、現在のジムサル県城北十数キロメートルの護堡子(ごほし)の破城である唐の庭州、後の北庭都護府に比定する説が有力で、清(しん)代中期には唐・元の残碑が発見されている。近年の調査では外城、子城、延城、内城、小城が確認され、「蒲類(ほるい)州之印」ほかの唐代文物、元代に属すといわれる陶器瓷器(じき)も出土している。

[片山章雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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