束子(読み)タワシ

デジタル大辞泉 「束子」の意味・読み・例文・類語

たわし〔たはし〕【束子】

わらシュロの毛などをたばねて作ったもので、物をこすって洗うのに使う道具
[補説]歴史的仮名遣いを「たわし」とする説もある。

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精選版 日本国語大辞典 「束子」の意味・読み・例文・類語

たわしたはし【束子】

  1. 〘 名詞 〙 ( 歴史的かなづかいは、通常「たはし」とするが、確かな根拠はない。「たわし」とする説もある ) わらや棕櫚(しゅろ)の毛などを束ねて作り、器物をこすって洗いみがく道具。
    1. [初出の実例]「鯨鍋たはしをひとつすてる也」(出典:雑俳・柳筥(1783‐86)四)

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改訂新版 世界大百科事典 「束子」の意味・わかりやすい解説

束子 (たわし)

わら(藁)やシュロの毛を切って束ね,鍋や桶をみがき洗う道具。柳田国男《方言覚書》によれば東京でもいくつかの名で呼んでいたが,亀の子束子という商品が盛んに売れたため〈たわし〉となったといい,束子は当て字で意味は不明としている。さらに,東北で〈もだら〉〈もったら〉と呼ぶのは持ち手藁がつまったもの,岩手で〈とぎたら〉と呼ぶのは磨ぎ手藁,奈良で〈なわどら〉〈けどら〉というのは材料の縄,毛を冠したものであり,また〈ささら(簓)〉〈したら〉〈そうら〉と呼ぶ地方があるのは,ささらの名と混同したものと述べている。明治期に水道が普及し衛生観念が高まるとともに各種の洗い道具が考案されたが,1908年東京の西尾正左衛門によって実用新案登録されたのが亀の子束子である。これはシュロの葉の繊維などを2本の針金でよじ合わせ,両端をつないで楕円形にしたもので,その簡素な構造は現在にいたるまで生命を保っている。
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食器・調理器具がわかる辞典 「束子」の解説

たわし【束子】

掃除・料理・洗い物などに用いる道具で、しゅろの毛やわらなどを束ねたもの。特に、やしの実から取れる繊維を針金で束ねて短く切りそろえ、棒状にしたものを、曲げて楕円形にととのえたもの。固い繊維で、屋外・水まわり・泥の付いた野菜や運動靴を洗ったり、簡単に落ちない汚れをかき落としたりするのに用いる。近年は、同様の用途に用いる、コイル状にしたステンレスの細い帯やスチールウールを適当な大きさにまとめたもの、ナイロン製のスポンジなどもいう。◇やしの繊維製の楕円形のものは「亀の子たわし」ともいう。また、これ以外のものは、「ステンレスたわし」「スチールたわし」「ナイロンたわし」というように素材の名をつけて呼ぶことが多い。

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