東みよし(町)(読み)ひがしみよし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東みよし(町)」の意味・わかりやすい解説

東みよし(町)
ひがしみよし

徳島県北西部、三好(みよし)郡にある町。2006年(平成18)、三好町、三加茂(みかも)町が合併して成立。北は讃岐(さぬき)山脈、南は四国山地に囲まれ、中央を吉野川が東流する。吉野川の北側が旧三好町、南側が旧三加茂町で、両地域は三三大橋で結ばれている。町域の大部分は山地で、吉野川流域に市街地や耕地が開けている。吉野川沿いにJR徳島線と国道192号が並行して走り、さらに徳島自動車道も通り、吉野川サービスエリアにETC専用のスマートインターチェンジがある。主産業は農業で、米作のほか、サツマイモ、豆類や、高冷地蔬菜(そさい)のハクサイ、レタス、ダイコンを栽培、シイタケ、クリ、ミツマタなどの林産物もある。

 北部は、かつては讃岐(香川県)側と結び付きが強く、讃岐からの物資の流入や、讃岐へ水田耕作のために借耕牛(かりこうし)が入り、また通婚も多かった。南部には、縄文時代を中心とする加茂谷川岩陰遺跡群(県史跡)、前方後円(方)墳の丹田(たんだ)古墳(国史跡)などがある。条里制の遺構がみられ、白鳳期の瓦を出土した金丸廃寺(かなまるはいじ)がある。祖谷(いや)地方に通ずる道もつくられ、物資の交流が行われていた。長善寺(ちょうぜんじ)の絹本著色文殊菩薩(もんじゅぼさつ)像と絹本著色金剛薩埵(さった)像は国の重要文化財、「加茂の大クス」は国の特別天然記念物に指定されている。面積122.48平方キロメートル、人口1万3622(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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