日本大百科全書(ニッポニカ) 「三加茂」の意味・わかりやすい解説
三加茂
みかも
徳島県北西部、三好郡(みよしぐん)にあった旧町名(三加茂町(ちょう))。現在は東みよし町の南半分を占める地域。吉野川南岸に位置する。旧三加茂町は、1959年(昭和34)加茂町と三庄(さんしょう)村が合併して成立。2006年(平成18)三好町と合併して、東みよし町となった。吉野川沿いをJR徳島線と国道192号が並行して走る。加茂谷川岩陰遺跡群(一部県史跡)、丹田(たんだ)古墳(国史跡)などがあり、また条里制の遺構がみられ開拓は古い。背後は四国山地で、林産物としてシイタケ、クリ、ミツマタなどがある。毛田(けた)地区では、県営パイロット事業により標高1000メートルの高原に70ヘクタールを開拓、高冷地蔬菜(そさい)のハクサイ、レタス、ダイコンを栽培する。三加茂八幡神社は、神を祀(まつ)るため石を築き巡らしたイワクラ(磐座)があり、玉垣式神社として知られる。古川には特別天然記念物「加茂の大クス」がある。樹高26メートル、根回り23メートルに及ぶ。南端の三好市との境界にそびえる風呂塔(ふろとう)山の北麓には水の丸高原がある。
[高木秀樹]
『『三加茂町史』(1973・三加茂町)』