松本文三郎(読み)まつもとぶんざぶろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松本文三郎」の意味・わかりやすい解説

松本文三郎
まつもとぶんざぶろう
(1869―1944)

明治~昭和期のインド文化および仏教美術史研究の先駆的開拓者。金沢市生まれ。帝国大学文科大学(現、東京大学文学部)を卒業後、一高教授を経て、1906年(明治39)京都帝国大学文科大学(現、京都大学文学部)の開設委員となり、1908年からは7年余にわたり第2代学長重責を果たした。引き続き印度(インド)哲学史講座担当教授として1929年(昭和4)まで京大に在任、その間、学士院会員に推挙された。さらに晩年の6年余は東方文化研究所(京都)所長の任にあたるなど、終始して徳望高き学界重鎮であり、また卓越した研究活動の組織者であった。

[大地原豊 2017年10月19日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松本文三郎」の解説

松本文三郎 まつもと-ぶんざぶろう

1869-1944 明治-昭和時代前期のインド哲学者,仏教学者。
明治2年5月生まれ。39年京都帝大教授,41年同大文科大学長となる。昭和13年東方文化研究所長。「日本大蔵経」の編集,インド・中国の仏教遺跡調査にあたる。昭和19年12月18日死去。76歳。加賀(石川県)出身。帝国大学卒。著作に「仏典結集」など。

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