松茂町(読み)まつしげちよう

日本歴史地名大系 「松茂町」の解説

松茂町
まつしげちよう

面積:一三・一〇平方キロ

郡の東端に位置し、東は紀伊水道に臨む。南は今切いまぎれ川を挟み徳島市、北は鳴門市、西は鳴門市および北島きたじま町に接する。今切川と旧吉野川の河口部に位置し、それらの河川が形成した三角洲地帯にあたり、平均標高約一メートルの低地国道一一号(吉野川バイパス)と県道川内かわうち大代おおしろ線が南北に、国道二八号(淡路街道)と主要地方道松茂―吉野線が東西に通り、県北部の交通の要地となっている。また徳島空港があり、徳島県の空の玄関口である。古代には吉野川河口の潟湖であり、室町期以降、徐々に陸地化し、萱島かやしま庄の一部になったとも考えられている。天正五年(天正四年とも、一五七七)には勝瑞しようずい(現藍住町)城主三好長治が同族内の争いに敗れ、長原ながはらで自刃したと伝える(三好記・阿波志)。寛文四年(一六六四)まで板東ばんどう郡、以後板野郡に属し、江戸時代末には町域に一〇村が存在した。近世を通じて徳島城下、近隣の商人上方商人などによって新田開発が進められた。近世初頭には長岸ながぎし村・中喜来なかぎらい浦・広島ひろしま浦の三ヵ村浦があったが、それ以東は吉野川今切口の砂洲にあった別宮べつく浦長原を除いて潟湖のままであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松茂町」の意味・わかりやすい解説

松茂〔町〕
まつしげ

徳島県北東部,紀伊水道にのぞむ町。 1961年町制。町域は旧吉野川と今切川の三角州に位置し,低湿地が広く,藩政時代に新田として開拓された。主産業は農業で,米作レンコン栽培が行われる。近年,住宅地化が進む。第2次世界大戦前におかれた旧海軍航空隊の基地跡は,現在徳島空港として民間航空会社と海上自衛隊が共用している。阿波の和三盆製造用具は重要民俗文化財。面積 14.24km2人口 1万4583(2020)。

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