四国東部と紀伊半島とに挟まれた海域で、豊後水道とともに瀬戸内海と太平洋を結ぶ水路をさす。一般には鳴門海峡―淡路島―
当水道の形成は中央構造線より南側の南西日本外帯山地の南北方向の地殻変動に伴う沈降によるものと考えられていて、その時期は更新世中期頃と推定されている。鳴門海峡や紀淡海峡主部の
徳島と阪神方面は紀伊水道を介して古くから結ばれており、紀伊水道沿岸には湊が設けられた。元暦二年(一一八五)二月、源義経一行は暴風で荒れるなかを摂津国
和歌山県北西海岸と徳島県東北海岸との間にある海域。「続風土記」は紀州の海上をすべて紀伊海というとしている。北縁淡路島の南に
紀伊水道は東西約四〇キロ、南北約五〇キロにわたり、南限は和歌山県
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紀伊半島西岸と四国東岸との間に通じる水域で,太平洋と瀬戸内海とをつなぐ。《水路志》ではその範囲を,南は紀伊半島側の日ノ御埼(ひのみさき)と四国側の蒲生田(かもだ)岬を結ぶ線とし,北は淡路島までとする。東西幅30~55km,南北長約45km。北端は淡路島の東西両側にある友ヶ島水道(紀淡海峡),鳴門海峡によって,それぞれ大阪湾,播磨灘に通じる。西南日本外帯山地を横ぎる撓曲(とうきよく)運動によって沈降し,形成された水道で,沿岸は出入りの多いリアス海岸をなし,湯浅湾(紀伊半島側),橘湾(四国側)などの湾入に富む。沿岸には和歌山,小松島(徳島県)などの港湾があり,東西を結ぶ舟運がみられるとともに,神戸・大阪両港などへ出入りする外洋船の通航もひんぱんにみられる。沿岸には漁村も多く,タイ,サバ,イワシ,アジなどの漁獲がある。
執筆者:末尾 至行
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