腋窩(えきか)(わきの下)から地面までの長さのある杖で、松葉のように上方へ向かって二またに分かれ、中間に握り(横木)がある。体重を支え、下肢に直接体重をかけないようにし、歩行には腕を使って杖を操作する。両下肢の障害、または片方の下肢が骨折などで支持力をまったく失った場合に用いられることが多い。人間工学的な最適条件を考えて処方され、理学療法士によって操作方法が指導される。握りが低すぎたり、誤った使用で腋窩を強く圧迫すると、神経叢(そう)を損傷し、上肢の麻痺(まひ)をおこすことがあり、松葉杖麻痺とよばれる。
なお、医療用の杖には松葉の形とは無関係な肘(ひじ)つき杖(リウマチ患者用のプラットフォーム杖)をはじめ、腕輪と握りのついた1本杖(ロフストランド杖)や3点支持杖、4点支持杖などがあり、患者に適した杖が選ばれる。また、つかまり立ちはできるが杖の使用はできない小脳失調症や、上肢の筋力低下が著しい患者には、歩行器を使った歩行訓練が行われる。
[永井 隆]
…まず筋力低下や脳卒中などの麻痺による歩行障害や,そうした際の歩行訓練で用いられるリハビリテーション用の杖について述べると,1本を一側に使用することも,2本を用いて両側上肢で支えることもある。杖には種々のものがあり,松葉杖,ロフストランド杖,カナダ杖,T杖がよく使われる。杖は効率よく,しかも安全に歩行するために正しい長さに調節して用いる必要がある。…
※「松葉杖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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